バイアグラの個人輸入の危険性

浜松町第一クリニック 竹越昭彦院長 監修

バイアグラは誰でも知っている世界的に有名な薬剤です。日本では1999年より処方実績がございます。 発売当時にはTVCMで有名なサッカー選手や有名な俳優さんが出演していたのを覚えていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。

日本国内では厚労省の認可を得て発売されているヴィアトリス製薬のバイアグラはは25mgと50mgだけです。日本をのぞく海外では100mgまで認可がおりています。
したがって100mgのバイアグラを合法的に入手するには海外より個人輸入するしか方法がありません。昨今問題になっているのが、この個人輸入におけるバイアグラ100mgの偽造品です。
詳しくはヴィアトリス製薬提供のこちらをご覧ください

当院ではバイアグラ50mgを1錠:1,500円(税込)で処方しておりますが、とても高価なお薬ではあります。効果をよくご存知の方は、もっと安くて手軽に入手する方法はないかインターネット等で探す方も多いのではないでしょうか。実際にgoogleで「バイアグラ100mg通販」などで検索すると個人輸入代行業者の通販サイトで100mgを扱っているところがたくさん掲載されています。
日本の医療機関だとバイアグラ50mgは1錠1,500円くらいが相場です。よってその有効成分の量が2倍であるバイアグラ100mgは3,000円相当の価値があると考えられます。それが個人輸入のサイトではバイアグラ100mgが1錠1,500円前後くらいで取引されているので、それを試したくなる方が多いのはうなずけます。

1万円以上で送料無料。来院歴が無くてもOK。
即日配送。国内正規品のみ。土日も発送。

しかし、今問題になっているのはヴィアトリス製薬純正ではない偽造品のバイアグラが皆さんの想像以上に非常に多く出回っていることなのです。今では国内でのバイアグラの特許が満了を迎え国内の大手製薬会社からバイアグラと同じ効き目のジェネリック(シルデナフィル錠)が発売開始されています。50mgで1錠が1,000円前後と、先発品のバイアグラと比べて安く処方を受けられるようになっています。バイアグラの発売元であるヴィアトリスから水無しで服用可能なフィルム版のバイアグラODフィルムも発売されており、こちらも1枚1,000円前後です。偽物を掴まされる危険性のある個人輸入は避けて、お近くの病院やクリニック等の医療機関でバイアグラ(ジェネリック)の処方を受けることをお勧めいたします。

非正規ルートで入手したバイアグラは、偽造品の可能性が高く、思わぬ健康被害も予想されます。

偽造バイアグラは効果がないだけでなく、不純物混入による健康被害を及ぼすことが報告されています。

【重要】
個人輸入で手に入れたバイアグラを服用をする場合、前出の通り思わぬ健康被害という大きなデメリットがある他に、もう一点頭に入れておいた方がよいことがございます。
医薬品副作用被害救済制度というのをご存じでしょうか?これは病院で処方された医薬品を適正に使用したのにも関わらず、ある一定以上の副作用で健康被害にあった場合に公的機関が治療費の一部を負担してくれる公的な制度です。
これが個人輸入でバイアグラを入手した場合は救済の対象とはならないということです。

偽造バイアグラは世界中で製造されています。現在までに日本を含む世界60ヶ国で発見されています。製造現場は、上の事例のように不衛生であったり、適当なポリ袋などに入れられて送られたり、アパートの一室などの品質管理がなされていない場所でボトルに詰められていたりと、流通経路での品質管理にも問題があります。

また、米ファイザーがあるアメリカ経由で日本に輸入される事例も確認されているので、アメリカの住所から送られてくる物が本物だとは言い切れません。

日本国内では厚労省の認可がおりているのは25mgと50mgだけです。

日本をのぞく海外では100mgまで認可がおりています。また正規品では300mg錠のバイアグラは製造されていません。こちらもご参考ください。
怪しいバイアグラを掴まされた場合、ご自身で偽物かどうかを見分ける方法として、水に入れて溶けていく過程を見て多少は判別が付きます。以下のリンクにて溶解検証していますのでご興味のある方はご覧ください。

下の画像がヴィアトリス製薬の純正バイアグラです。日本ファイザー製薬純正品は昔、2錠入りシートのものもございましたが、現在は10錠入りのものしか作っておりません。日本ファイザー製薬の純正バイアグラの10錠入りシートは裏側が日本語で記されております。
2021年9月より製造販売元はファイザーからヴィアトリス製薬に移管されています。

下の画像が偽造品の1例です。繰り返しになりますが、日本国内で100mgのバイアグラを合法的に入手するには海外より個人輸入をするしか方法がありません。

仮に個人輸入で米ファイザーがあるアメリカから取り寄せた場合でも、米国の住所から送られてくる物が本物だとは言い切れません。(偽造品は米国経由で日本に輸入される事例も確認されています)偽造品は思わぬ健康被害を引き起こす可能性があります。


純正品をお求めの方はお近くの病院やクリニック等の医療機関にご相談されることをお勧めいたします。


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