バイアグラに関するニュース女性の悩みの救世主となるか?「女性用バイアグラ」米国で初承認 2015.09.22 tue

浜松町第一クリニック竹越昭彦院長監修

男性の性的不能治療薬「バイアグラ」が発売されて15年以上がたちましたが、2015年8月、ついにその女性版と言われる「フリバンセリン」が、後天性・広汎性の性的欲求低下障害(HSDD)の症状改善に有効と、米国食品医薬局(FDA)に承認されました。

親密な関係を復活させる女性用バイアグラの登場

別名「ピンクバイアグラ」と言われるこの薬は、もともとはドイツの製薬会社が「抗うつ剤」として開発したものです。抗うつ剤としての効果は今ひとつでしたが、副作用として性欲を促すドーパミンの分泌を促進し、性的欲求を高める効果が見られたのです。
狭心症の治療薬として開発・研究されたバイアグラが、男性用性的不能(ED)治療薬として効果があることが確認されたのを思い出させるエピソードと言えるでしょう。

臨床実験では、女性被験者(平均36歳)が5カ月間フリバンセリンを服用した結果、偽薬であるプラセボを服用した人と比較して、性行動の上昇が確認されたようです。

その効果について、被験者の一人は
「これまでセックスレスに悩み、結婚生活さえ危うくなりかけていましたが、夫との夜の営みが復活して親密度がアップしました」といい、その時の様子を「電気スイッチが入ったかのよう」と例えたそうです。

特に閉経後など、性欲がなくなってパートナーとの関係がぎくしゃくしてしまった女性には朗報といえそうです。

男性用治療薬との違いは?

バイアグラは男性器の血流を増やすことで効果を出しますが、フリバンセリンは性欲にかかわる神経伝達物質であるドーパミンやノルアドレナリンを多く出すよう脳に働きかけることで女性の性的欲求を高めます。

つまり、バイアグラが男性器への効果を狙うのに対して、フリバンセリンは女性の性欲そのものをコントロールする働きがあるということになります。なお、バイアグラは性行為の直前に服用しますが、フリバンセリンは毎晩服用するといった違いがあります。

ただし、この薬は媚薬ではないので、突然、体がうずき出して求めたくなる、といったものではないようです。服用して性交渉をしても、エクスタシーを感じるかは別の問題であり、そこはやはりパートナーから「愛されている」という気持ちが重要なのだそう。このあたりも、男性用とは大きく異なるポイントと言えそうです。

承認が遅れたのは性的偏見のせい?

今回の承認は、決してすんなりと行われたわけではなく、これまで2度見送られている経緯があります。当初、開発・研究を進めていたドイツの製薬会社は1回目の申請が却下された2011年に研究内容を米国の製薬会社に売却し、その後3回目のトライでようやく承認までこぎ着けました。

「男性にはED治療薬があるのに女性にはなぜないのか、認めないのは性的偏見だ」
なかなか承認がおりない中、米国中から反発の声があがりました。
つまり、女性も男性と同様に、性に関して治療を受ける権利があるはずだという訴えです。

今回の承認について、消費者団体の執行委員の一人は「女性の性にとってピルが重要であったように、自らの運命をコントロール可能という意味で、女性にとって重要な瞬間であった」とコメントしています。

一方、承認が見送られていた理由として、諮問委員会では副作用の懸念を挙げています。
フリバンセリンに関しては、吐き気、めまい、眠気、低血圧などの副作用が報告されています。さらに、アルコールと併用すれば失神などの深刻な作用を起こす恐れがあり、許可を受けた薬局でしか入手できないとされています。

日本でも手に入る?

さて、日本ではいつ発売されるのでしょうか。
製薬会社は2015年10月の米国内での発売を目指していると言います。日本でのバイアグラ発売が米国の1年遅れでしたので、前例に従うと2016年秋頃となりますが、正式な発表はまだなされていません。今後の動向に、日本国内からの注目が集まります。

元記事:CIRCL https://www.circl.jp/2015/09/22/4413/
元記事:産経WEST http://www.sankei.com/west/news/150921/wst1509210010-n1.html