バイアグラに関するニュースEDの症状が現れたら、動脈硬化や心臓病を疑おう 2016.06.11 sat

浜松町第一クリニック竹越昭彦院長監修

「あそこが立たなくても、死ぬわけじゃないし…」勃起不全に対して、こんな軽い見方をしている人はいませんか?確かに、年齢的に盛りを過ぎて、男性機能を使用する機会が少なくなると、EDはそれほど重大な病気ではないかもしれません。しかし、突然あそこの調子がおかしくなった原因には、心臓病とも深く関連する可能性が昨今の研究で指摘されています。ここでは、EDと心臓病の関係について詳しく解説します。

きっかけはバイアグラ

勃起不全と心疾患。一見して何の関連もなさそうな2つの病ですが、実は、この両者には密接な関係があるとの指摘は、一部研究者の間でなされてきました。しかし、命の危険もある心臓病と、単なる性の悩みである勃起不全では、どうしても前者へ関心が向いてしまいます。そのため、医学界ではまともにこの2つの関連について議論されることはありませんでした。

それが、バイアグラの登場で潮目が変わりました。勃起機能の回復に効果を発揮するという画期的な治療薬の登場で、EDに悩む患者さんたちにスポットが当たるようになり、さらにQOL(生活の質)という新たな価値観が生まれたことで、勃起不全は単なる精神的な問題ではなく、医療的な手段によってきちんと解決されるべき問題であるという考えが主流となったのです。

EDと心臓病の原因

それでは、EDはなぜ起こるのでしょぅか?主な原因は、ペニスの血管に流れ込む血液量の低下です。男性器は勃起するとき、血圧が最高の状態のときと同じくらいに血流が増加します。ところが、動脈硬化によって血が回らなくなり、ペニスに送り込まれる血液量が低下すると、立ちが悪くなり、EDという症状を引き起こすのです。

心臓病もまた、動脈硬化などで血流が悪化することで起こる病気です。血液が十分に心臓に行き渡らなくなると、機能も低下し、狭心症や心筋梗塞の原因ともなるのです。つまり、EDと心臓病は、血流の悪化によって起こるという点では一致しており、ともに動脈硬化との深い関連が指摘されるといっていいしょう。

ちなみに、バイアグラですが、狭心症の方が服用すると、血圧が異常に低下するリスクがあります。これは、狭心症の発作止めとして使用される「ニトログリセリン」と関係があり、狭心症の方がバイアグラを使用する際は医師に相談して処方の可否を判断するのがベストです。

EDは、心臓病の予兆かもしれない

勃起不全と心臓病に深く関わる動脈硬化は、細い血管ほど影響を受けるとされます。それぞれの臓器や器官には血液が送り込まれる血管があり、ペニスへ血液を送る陰茎動脈の直径は1~2ミリ、心臓のそれは冠動脈といって直径3~4ミリと、太さに違いが見られます。これは細い血管である陰茎動脈のほうがさきに動脈硬化にかかりやすいことを意味し、さらに進行すると狭心症や心筋梗塞などの心疾患になる恐れがある、という点に注意しなければなりません。

生活習慣病である動脈硬化は、中高年になればかかりやすい病気とされます。そのため、40代~50代の中高年層でEDの症状がある方は、動脈硬化が原因の可能性もあるでしょう。「あそこが立たなくても死ぬわけじゃない」と放置せず、気になる症状が見られればすぐに病院の診断を受けることをおすすめします。

元記事:毎日朝日【医療プレミア】 http://mainichi.jp/premier/health/articles/20160610/med/00m/010/007000c