バイアグラに関するニュースアメリカで利用の進む女性向けバイアグラに警報? その理由とは 2016.11.03 thu

浜松町第一クリニック竹越昭彦院長監修

アメリカでは現在、女性向けバイアグラを推奨する動きが加速しています。アメリカ食品医療薬品局(FAD)は「Addyi」「フンバンセリン」といった女性向けバイアグラを承認。さらに、「Palatin」という新しい女性向けバイアグラの承認プロセスを進めていると言います。また、製薬会社は、女性向けバイアグラに関する新たなガイドラインの草案も提出し、2016年12月には正式に発布されると見られています。

しかし、こうした動きに対して医療サイドには警報を鳴らす人にも少なくありません。今回は、女性向けバイアグラ使用に潜む問題点について考えていきます。

効果の割に副作用が強い?

女性向けバイアグラは効果が認められる半面、いくつかの問題点も指摘されています。まずは、使用にあたって女性に求められることをいくつか箇条書きしてみましょう。

  • 毎日服用しなくてはならない
  • 服用中はアルコールを摂取できない
  • めまいや吐き気が起こることがある

このように、女性向けバイアグラは“気軽に”利用するのは難しい、というのが現状と言えるでしょう。一方、効果としては服用した女性の13%が月に0.5回程度「性的に満たされた」と言うのみ。こうして見てみると、頑張って服用した割には思ったような効果が得られない可能性が高いと言えるでしょう。

投薬治療だけでは根本的な解決にはつながらない?

ウィラメット大学のSexuality and Relationships Labの所長、カイル・スティーブンは、「女性の性機能障害は、心理的、社会的を含むさまざまな要因や、セックスに対する罪悪感のストレスによるホルモン失調が原因。そのため、薬のみでは対処が難しい」と語ります。

彼の主張としては、女性の性機能障害には投薬の他にも、セラピーやカップルカウンセリングといったさまざまなものがあり、それぞれにとって最適なものを選ぶのが重要なのだとか。ちなみに、カップルカウンセリングでは生物学的な影響があり、投薬治療では心理学的な作用があるとしています。FDAの新ガイドライン草案では、別の病気や恋人・夫婦関係の不一致によって引き起こされる性機能障害に対応できないので、適切な治療の選択の重要性を訴えています。

また、マウントサイナイ病院のマムタ・マミク婦人科学教授は、投薬の基準になる性欲レベルの計画が複雑で問題だと考えています。これは、医師の裁量にとって女性向けバイアグラが処方されていると、性欲の問題は解決されるかもしれないが、その他の問題は放置されてしまう可能性があるからです。

なお、両者は女性の性機能障害を測定するテストである「FSFI」を現時点ではもっとも適した方法だとしつつ、質問の中に、主観的体感を分離しにくい質問があることから、誤解を招きやすいとも言っています。

このように、医療サイドとしては、政府が主導となって女性向けバイアグラ使用が推奨されているのを歓迎していません。今後アメリカで、女性向けバイアグラがどのように利用されていくのか、注目が集まります。

元記事: THE VERGE http://www.theverge.com/2016/10/27/13443412/fda-womens-sex-drive-drugs-female-viagra-sexual-dysfunction