バイアグラに関するニュース効果が高いだけではない!バイアグラが受け入れられた理由とは? 2018.03.27 tue

浜松町第一クリニック竹越昭彦院長監修

バイアグラの誕生から20年。この小さな青い錠剤によって救われた男性は数えきれません。バイアグラが「勃起薬のチャンピオン」として不動の地位を築いた理由は、単に効果が高かったからだけでなく、自然の法則に逆らったチャレンジ精神と、男女ともに共感を呼んだCM戦略がはまったからでしょう。課題はあるものの、ジェネリック解禁という新たなフェーズを迎えた今、利用環境のさらなる向上が期待されます。


バイアグラ処方の数はこれまで6,500万件

バイアグラは、「性機能のアップ」という、高齢男性にとって深刻な悩みを解消できる夢の薬として誕生しました。「性の衰えは自然現象」という常識を打ち破り、1998年の登場以来、世界中で約6,500万件が処方され、多くの男性の性生活をサポートした実績を誇ります。

一般論で言えば、年齢的な衰えは人間として避けられない宿命。若い頃はどんなにエネルギッシュに活動してきた男性も、年齢の壁には逆らえず、あそこの生活も「引退」を迎えるしかありません。そんな常識に一石を投じたのが、バイアグラと呼ばれる小さな青い錠剤です。

男という生き物は、いくら盛りを過ぎたとはいえ、いつまでも若くありたい、と願うもの。それと同時に、何歳であっても愛する女性をこの体で喜ばせたい、という願望を持っているとしてもおかしくありません。そんな男の胸の奥に隠された情熱とロマンをかき立てるものが、バイアグラにはあったのでしょう。

広告戦略も秀逸だった

もともとバイアグラは、高血圧や狭心症の治療薬として開発された経緯を持つ薬。それが、1990年までに実施された臨床試験で、ペニスへの高い血流効果が示されたことから、勃起薬としての価値が認められるようになったのです。

バイアグラは、広告戦略においても世間の常識を破ります。「インポテンツは治療可能」というメッセージを世間に広げるコンセプトではじまったCMには、退役軍人で大統領候補にもその名が上がった共和党上院議員・ボブ・ドール氏を抜擢。このインパクトある起用と、強烈なメッセージ性が効を奏し、バイアグラヒットを強力にアシストしました。

また、2000年には米国の人気コメディー番組「サタデー・ナイト・クラブ」の中で、バイアグラCMを模したパロディコンテンツを放送。バイアグラを服用して精力旺盛になった男性パートナーに抱きつかれた女性が、あきれた表情で「ありがとう、バイアグラ」とつぶやくシーンは、男性に受けるとともに、それまでバイアグラをめぐる環境と疎遠だった多くの女性の共感を呼びました。

人気薬にも、課題はある

バイアグラは登場以来、顧客ターゲットを男性に絞って販売されてきました。しかし、2015年、女性版バイアグラとして「アディ(フリバンセリン)」が登場。閉経して性欲を失ってしまった女性向けの性欲向上アイテムとして注目を集めました。しかし、この薬剤は販売開始以来、さまざまな課題を抱えていたのです。

アディは価格が数百ドル(数万円)という高額なうえ、嘔吐や情緒不安定といった深刻な副作用リスクが潜んでいました。また、高齢女性は閉経後、膣が乾燥し、性交時に痛みを引き起こしやすい特長を抱えます。膣の乾燥を改善する治療法としてレーザー治療などがありますが、この利用には数十万ドルの高額費用がかかることも。女性の場合、老いのセックスには男性にないさまざまなハードルがあることを忘れてはならないのです。

とはいえ、バイアグラもジェネリックが解禁となり、安全性が保証された薬が安値で手に届くようになりました。女性用バイアグラも、ジェネリック版が出回るようになれば、高額な治療費というデメリットをいくらか低減できるでしょう。これからもバイアグラの利用環境の改善・向上が実現できれば、男女ともにその効能の恩恵が受けられる日が来るかもしれません。

元記事: AFP BB NEWS http://www.afpbb.com/articles/-/3168890