EDとは糖尿病とED【勃起不全】

浜松町第一クリニック 竹越昭彦院長 監修

「糖尿病」はインスリンが分泌されない、または働きが悪くなり血液中の糖分の濃度が高過ぎる状態が続く病気です。空腹時血糖値126mg/dl以上またはHbA1c6.5%以上で糖尿病の可能性が高くなります。最初は自覚症状がないため軽くとらえられがちですが、長い時間をかけて身体のあちこちに悪影響を与えます。重症化した場合は失明や腎機能障害、手先や足先の壊疽などの重大な合併症を引き起こすこともあります。また、糖尿病は「勃起障害(ED)」との関連性が高い病気の1つです。

当院でも、糖尿病をお持ちの方や糖尿病薬を使用している方の割合は非常に多いです。
そこで糖尿病がEDとどのように関わっているのか当院にてアンケート調査を実施しているのでご紹介します。

糖尿病の有無別ED合併率

集計期間:2021年5月7日~9日
調査方法:インターネット集計
調査対象:日本全国の40~79歳の男性 合計4,000人(5歳階級ごとに500人)
  • EDではない:毎回、性交に十分な勃起を得ることができて維持することもできる
  • 軽度ED:たいていの場合、性交に十分な勃起を得ることができて維持することもできる
  • 中等度ED:時々、性交に十分な勃起を得ることができて維持することもできる
  • 重度ED:毎回、性交に十分な勃起が得られない。また、維持もできない

糖尿病予備群:「空腹時血糖値(GLU)100~125mg/dL」または「HbA1cが6.0~6.4%」

  EDではない 軽度ED 中等度ED 重度ED 中等度ED+
重度ED
糖尿病と診断
されている
130 (31.3%) 84 (21.2%) 82 (19.7%) 120 (28.9%) 202 (48.6%)
糖尿病になり
かけている
(糖尿病予備軍
172 (31.6%) 116 (25.3%) 91 (19.9%) 79 (17.3%) 170 (37.1%)
糖尿病ではない 1,626 (53.36%) 632 (20.7%) 445 (14.6%) 344 (11.3%) 789 (25.9%)
わからない 44 (55.7%) 9 (11.4%) 18 (22.8%) 8 (10.1%) 26 (32.91%)

この調査により糖尿病の方は2人に1人は中等度以上のED有病者であり、糖尿病では無い人は4人に1人ということが判明。つまり糖尿病になるとEDのリスクが2倍となるのです。
次に今回の調査での糖尿病有病者率を元に糖尿病患者数とED合併者数を算出してみます。

糖尿病の有無別ED合併者数

住民基本台帳に基づく全国の5歳階級別人口総計(平成31年人口)により糖尿病有病者数を算出

  糖尿病と診断
されている
糖尿病になり
かけている
(糖尿病予備軍
糖尿病ではない わからない 糖尿病+
糖尿病予備軍
40~79歳の男性
4,000人を対象
416人 458人 3,047人 79人 874人
割合 10.40% 11.45% 76.18% 1.96% 21.85%
人口統計より
人数を算出
3,393,312 3,735,906 24,854,379 644,403 7,129,218
中等度以上のED
有病者数を算出
1,647,714 1,386,690 6,435,873 212,082 3,034,404

当院にて2019年に20~79歳男性を対象に実施した日本のED有病者数調査では中等度以上のEDで悩む男性は1,400万人と推定されました。この中で上記調査対象である40~79歳に絞ると中等度以上のED有病者数は1,200万人。糖尿病及び糖尿病予備軍での中等度以上のED有病者数は300万人。つまり中等度以上のEDで悩んでいる男性の4人に1人は糖尿病が関わっているということになります。

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糖尿病有病者数(2016年)

参照元⇒糖尿病患者数の状況|平成30年版厚生労働白書

正常な勃起のためには脳や神経、海綿体、血流などが問題なく機能する必要があります。糖尿病性EDは、下記にあげるような複数の問題が組み合わさって発症する場合が多く見られます。

神経障害

勃起は、脳で感じた性的刺激が陰茎に伝わることによって起こりますが、糖尿病によってその神経回路に障害が生じやすくなります。

海綿体の機能不全

「平滑筋の弛緩」も勃起に必要不可欠です。しかし糖尿病により、海綿体動脈などの内皮細胞において「内皮型一酸化窒素合成酵素」(eNOS)の活性が低下することで、弛緩が起こりにくくなります。

動脈硬化

全身の血管に動脈硬化があらわれるのは、糖尿病の典型的な症状です。とくに内腸骨動脈から陰茎動脈にかけて硬化が生じると、勃起機能の大幅な低下につながります。
また性器海綿体の毛細血管は、体の中でも特に細い血管で、動脈硬化により、血流がもっとも低下しやすい血管です。逆に言うと、EDの症状は体の中で糖尿病やその他の病気、加齢やストレス、飲酒、喫煙などによって動脈硬化が進んでいるサインでもあります。
上記のような、身体的な原因から生じるEDを「器質的ED」と呼びます。他にも、糖尿病で生じた抑うつ傾向による「心因性ED」や、糖尿病薬や降圧剤などによる「薬剤性ED」もあり、他の病気と比較してもEDを誘発する因子が多いといえるでしょう。

糖尿病性EDかどうかは、血糖値が管理出来ているかの指標となるヘモグロビン A1c(HbA1c)の数値や糖尿病になってからの期間などから動脈硬化の進行度合いを推定し判断します。しかし糖尿病とEDの合併率が非常に高いことが分かっていますので、中折れや十分硬くならないなど自覚症状がある場合には、糖尿病とEDが併発していると考えるのが自然です。

当院では余計な検査などは行わず、糖尿病をお持ちの方では、ヘモグロビン A1c(HbA1c)値やその他の疾病の有無の確認、服用薬のチェックをし、内服のED治療薬を併用して頂き、その効果を判定しています。
糖尿病の方の場合でも、バイアグラなどの PDE5 阻害薬の併用は、高い確率で大きな改善が期待でき、豊富な治療実績があるためです。
ご来院の際には、血液検査の結果やお薬手帳をお持ち頂くと、スムーズに確認が出来ます。

糖尿病性EDを進行させないためには、糖尿病自体を十分に管理し、食生活や運動又薬での治療をしっかりと継続し、ヘモグロビン A1c の値を高くても7未満に維持していくことが大切です。血糖値が高い状態続くと、神経や血管にダメージを与え、EDを進行させてしまうためです。
また糖尿病と合併して、高血圧や高脂血症、うつ病などがある場合には、その治療を十分に行っていくことも大切です。

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