テーマザガーロの精液(精子)への影響について

精液への移行性について

@ザガーロの精液への移行性について

臨床用量でヒト精液中に最高14ng/mlの濃度 注1)で検出(デュタステリド0.5mgを反復経口投与したとき、精液中/血清中薬物濃度比は平均11.5%)されていることから、妊娠初期あるいは妊娠している可能性のある女性が、カプセルから漏れた薬剤に接触あるいは精液を介して偶発的に曝露された場合に、男子胎児の外生殖器の発達が阻害される可能性がある。 しかしながら、精液を介した曝露に関しては、精液中(精液量:5ml)の未変化体が子宮及び膣粘膜より100% 吸収されると仮定した際の女性(50kg)における曝露量の約186 倍(2010ng/ 匹/ 日)を、5α還元酵素のアミノ酸配列及び生化学的特性がヒトと類似しているアカゲザルの器官形成期に静脈内投与しても、雄胎児の雌性化は認められなかった。 また、本剤はヒト血漿中及び精液中蛋白との結合率が高く(>96%)、子宮・膣からの吸収量が低下することが考えられることから、精液を介した子宮曝露によりヒト男子胎児の外生殖器の発達に影響を及ぼす可能性は低いと考えられる。

注1)ザガーロの添付文書及びインタビューフォームを参照

Aプロペシアの精液への移行性について

男性型脱毛症患者にフィナステリド1mg を1 日1 回6 週間経口投与し、精液中濃度を測定したが、60%(35 例中21 例)でフィナステリドは検出されなかった。平均フィナステリド濃度は0.26ng/mlであり、最高濃度は1.52ng/ml 注2)であった。 この最高精液中濃度を使用し、射精量1 日5mlとして、かつフィナステリドが100%吸収されるものと仮定すると、経膣吸収による人の曝露は最高7.6ng/日となり、これはアカゲザルの発育異常に対する無影響量の750 分の1 より低い。

注2)プロペシアの添付文書及びインタビューフォームを参照

ザガーロは子作りの際に服用を中止するべきか?

上記@とAの通り反復投与時の精液中の最高濃度はフィナステリドは1.52ng/ml注2)に対してデュタステリドは14ng/ml注1)ですから胎児の生殖器の発達に影響を及ぼす割合はデュタステリドの方が高いと思われるかもしれませんが、そもそも成分が違うので比較対象にはなりません。両剤ともに可能性は低いというだけで0(ゼロ)ではないので心配なようでしたら子作りの時には服用を中止する方が良いかと思います。
服用を止めるのであればデュタステリドの場合、反復投与時の消失半減期は3.4±1.2週間もあることから最低でも子作りをする1ヶ月以上前から服用するのを止めておいた方が良いでしょう。完全に血中濃度をゼロにする、つまり精液への移行を完全にゼロにするのであれば6ヶ月前から服用を止める必要があります。
フィナステリドに関しては服用を止めて1ヶ月経過すれば血中濃度はゼロになります。
今後、子作りを予定していて、尚且つAGA治療薬の胎児に対する影響を心配されている方はお薬を選ぶ際に、このような情報も判断材料にしていただければと思います。

どちらのお薬にしても胎児に影響があるかどうかを臨床試験にて人間を対象に検証することはできないため5α還元酵素のアミノ酸配列及び生化学的特性がヒトと類似しているアカゲザル、厚労省もガイドラインにて指定しているげっ歯類のラット、非げっ歯類のウサギ等の動物を対象として生殖発生毒性試験といって「精子や卵子が形成され、受精し、胚が形成されるまでの時期」「胚が子宮内に着床してから、胎児の器官や組織が形成されるまでの時期」「雌動物が妊娠し、分娩、授乳を経て、子供が離乳するまでの時期」のそれぞれに被験物質を投与して母胎、胎児に影響がないかを調べて無毒性量(有害な影響が認められなかった最高の暴露量)を算出しています。
この臨床試験にてデュタステリドは精液を介して母胎に吸収されるであろう最大曝露量の186倍アカゲザルに投与しても雄胎児への異常なし。
フィナステリドは精液を介して母胎に吸収されるであろう最大曝露量は無毒性量の750分の1以下。
つまり、動物での試験ではありますが、ほとんど気にしなくて問題はないという試験結果となっています。ちなみにフィナステリド(プロペシア)も発売が開始されて10年近く経過していますが服用中に子作りをして男性胎児又は母胎に影響があったという報告はゼロです。