「中折れ」の世代別の原因と改善方法

浜松町第一クリニック 竹越昭彦院長 監修

中折れとは、性行為の際に勃起はするので挿入はできるものの行為中に少しずつ萎えていくタイプのEDで、40代前半から多く見られ、50歳になる頃には男性の6割以上が経験するEDでもあります。また挿入から射精まで行き着くため、「EDの自覚が本人にない」または、多少はEDかな?という自覚はあるものの「認めたくはない」という男性のプライドが邪魔をしてしまい対処が遅れてしまうことが多いのも特徴です。

2022年1月に全国の20代~50代の男性 2,600人を対象に実施した調査(中折れや治療薬に対する男女の「ホンネ」実態調査)では、「20代で3.57人に1人」「30代で2.71人に1人」「40代で2.34人に1人」「50代で2.02人に1人」「20~50代全体で約4割」の男性が「中折れの経験がある」と答えています。
20代の男性でも28%が経験していることからも中折れは年配の方だけの悩みではないのです。

性行為中に中折れしてしまったことはありますか?

年代 ある ない わからない 合計

20代 182 (28.0%) 378 (58.2%) 90 (13.8%) 650 (100%)
30代 240 (36.9%) 353 (54.3%) 57 (8.8%) 650 (100%)
40代 278 (42.8%) 324 (49.8%) 48 (7.4%) 650 (100%)
50代 322 (49.5%) 267 (41.1%) 61 (9.4%) 650 (100%)
男性
合計
1022
(39.3%)
1322
(50.8%)
256
(9.8%)
2600
(100%)

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来院歴が無くてもOKです。

中折れ症状に「気づかないふり」していませんか?
症状はあっても射精には至るため、自覚がないケースも多く見受けられます。また、「これってもしかしてED…?」と薄々気づいた場合でも、男のプライドがそれを認めることを許さず、クリニックに足を運ぶまでには至らないようです。

当院における患者さんからの相談でも、最も多いのがこの中折れですが、やはり自覚がないケースが多く見受けられます。
「先生、実はEDでもないのに、行為中に萎えてしまって困っているんです……」

もちろんこれは中折れ症状でありEDなのですが、本人はそれに気づいていないのです。もしくは薄々気づいてはいるものの、それを認めたくないのでしょう。EDは克服できる疾患ですから、それを克服するためにも、まずは本人が自覚することが大切だと言えます。

ちなみに中折れは、加齢による身体的原因によって起こりますが、心因性EDの原因にもなります。途中で萎えてしまった経験が、「また次もそうなったらどうしよう……」という心理的負担につながり、心因性EDを引き起こしてしまうのです。別コラムで解説した分類で言えば、混合性EDにあたります。

性交中に中折れを何度か経験すると、「中折れになってなるものか」とイキんでしまいがちとなり、それが原因で射精が早くなってしまうケースが多いのです。
また、「カチカチに勃起した陰茎」と勃起はしているのものの「中折れ気味の陰茎」とでは性行為時の挿入時の物理的な刺激の受け方を比べると後者の方が多く刺激を受けてしまうため早漏気味になってしまうのです。
50~79歳の日本人男性987人(「EDではない:246人」「軽度ED:304人」「中等度ED&完全ED:437人」)を対象にアンケートを取ってみると特に50歳以降はEDと早漏の因果関係が明らかとなる結果が出ています。

以下に調査結果を紹介していますのでご興味ある方はご参照下さい

では、なぜ「中折れ」は起きてしまうのか。それを理解してもらうために、まずは勃起の仕組みについて解説していきましょう。以下が、勃起が起きるまでの簡単な流れとなります。

  • 性的興奮を覚える
  • 脳の命令によってペニスの陰茎動脈が緩み、ペニスに血液が流れこんで勃起する
  • 同時に、勃起を保つために陰茎動脈から血液が流出しないようにする

このように、ペニスに血液を流し込み、その血液をペニスに留めることによって、勃起を維持し続けられるようになっているのです。これが、加齢や精神的なストレスやプレッシャー等によってうまく機能しなくなり、勃起を維持するのが困難になると、中折れ症状が出てくるわけです。

特に「動脈硬化」は中高年の中折れの最も多い原因と言えます。人は誰しも、年をとるにつれて血管が硬くなり、血管が詰まり始めます。それが重度の状態になったのが心筋梗塞や脳梗塞ですが、ペニスの血管はとても細いため、動脈硬化の初期症状としてEDが現れてくるのです。そのため中折れは、動脈硬化進行の指標としても考えられています。つまり、中折れ症状が出始めたならば、これまで以上に健康に気遣う必要があるとも言えるでしょう。

男性の考える中折れの原因を調査

【回答者】
中折れした経験のある男性「20代:182人」「30代:240人」「40代:278人」「50代:322人」 合計1,022人(複数回答可)

中折れした原因は何だと思いますか?

  • 1位:「疲労やストレスが溜まっているから」(40.3%)
  • 2位:「自身のメンタル的な要素」(37.3%)
  • 3位:「加齢によるもの」(25.5%)
  • 4位:「お酒を飲み過ぎて酔っていたから」(18.6%)
  • 5位:「その日の気分が乗らなかったから」(16.6%)
  • 6位:「性行為がマンネリ化しているから」(13.4%)

このほか、「睡眠不足」(10.6%)「運動不足」(10.3%)など、原因を女性に探す男性は少なく、大半は自身のコンディションが中折れに繋がっている、と考える男性が多いようです。

参照
中折れした原因は何だと思いますか?|中折れや治療薬に対する男女の「ホンネ」実態調査2022

男性が中折れしたとき、不満を感じましたか?

【回答者】
男性の中折れにより性行為に支障がでた経験のある女性「20代:154人」「30代:195人」「40代:227人」「50代:234人」 合計810人

年代 とても
不満だった
不満だった 少し
不満だった
不満は
感じなかった
わからない
(忘れた)
合計

20代 31 (20.1%) 31 (20.1%) 56 (36.4%) 30 (19.5%) 6 (3.9%) 154 (100%)
30代 43 (22.1%) 39 (20.0%) 67 (34.4%) 39 (20.0%) 7 (3.6%) 195 (100%)
40代 34 (15.0%) 45 (19.8%) 85 (37.4%) 52 (22.9%) 11 (4.8%) 227 (100%)
50代 36 (15.4%) 41 (17.5%) 69 (29.5%) 75 (32.1%) 13 (5.6%) 234 (100%)
女性
合計
144
(17.8%)
156
(19.3%)
277
(34.2%)
196
(24.2%)
37
(4.6%)
810
(100%)

20~50代女性全体では71.2%が不満(「とても不満:17.8%」「不満:19.3%」「少し不満:34.2%」)を感じる結果になりました。
また世代別で不満を感じる割合を見てみると「20代:76.6%」「30代:76.5%」「40代:72.2%」「50代:62.4%」となり、若い女性ほど不満を感じる割合が増えることがわかりました。

男性が中折れした時どう思いましたか?

【回答者】
男性の中折れにより性行為に支障がでた経験のある女性「20代:154人」「30代:195人」「40代:227人」「50代:234人」 合計810人 (複数回答可)

  • 1位:「疲れているのだろう」と思った(44.8%)
  • 2位:「自分に魅力ないのでは」と不安になった(28%)
  • 3位:「仕事などでストレスが溜まっているのだろう」と思った(25.2%)
  • 4位:「加齢によるもので仕方ない」と思った(25.1%)
  • 5位:「がっかりする・残念な気持ち」になった(17.5%)
  • 6位:「お酒の飲み過ぎだ」と思った(17.0%)

男性が中折れした時に女性は男性のことを責めるような回答は少なく(「なさけない男と思った:2.8%」「セックスしたことを後悔:3.1%」「もう別れようと思った:2.7%」「嫌悪感を抱いた:5.1%」)男性の健康を気遣うような回答が多くを占めました。
また、自分に要因を探してしまう女性も多く存在し、特に20代でその傾向が強く、「自分に魅力ないのでは:37.7%」「自分自身にテクニックがなく射精までさせられないことを申し訳なく思った:18.8%」「自分のことを好きではなくなったのでは?:14.9%」。若い世代ではEDの可能性が低いため、原因を自分に探してしまうということでしょう。

参照
男性が中折れした時どう思いましたか?|中折れや治療薬に対する男女の「ホンネ」実態調査2022

中折れを改善させるために一番重要なのは、「何故に中折れになっているか?」を把握することです。主に世代によって中折れの原因が違ってくるので年齢別での対策案を以下にまとめてみました。

また、ED(勃起不全)を自力で治すにはでは、EDを自力で改善させた経験のある1,149人を対象に世代別で改善方法をアンケート調査していますので、こちらも是非とも参考にして下さい。

20代~30代の中折れ

この世代での中折れは主に「心因的なものが原因」か「抗うつ剤や向精神薬等の薬剤による副作用が原因」となっている方が多いです。
具体的には初めて彼女ができて初めての性行為で緊張しすぎて行為自体に集中できず性的刺激が上手く脳に伝わらず中折れしてしまうのです。一度体験してしまうと性行為時に中折れしたことを思い出してしまい「また中折れしたらどうしよう」と不安が募り負の連鎖に陥ってしまうのです。付き合いも長くなり彼女との信頼関係が築けて性行為自体にも慣れてくれば自然と克服できる場合がほとんどですが、ED治療薬を使用するのも良いと思います。薬の力を借りて何度か性行為が上手くいけば自信に繋がり、その内にED薬無しでも中折れしなくなるでしょう。
処方された抗うつ剤や向精神薬を服用し始めた時期から中折れするようになった場合は薬による副作用が原因の可能性が高いので主治医に相談してお薬の種類を変更したり、減薬してもらうだけで解決する場合が多いです。このような場合でもED治療薬は有効です。

40代の中折れ

この世代での中折れは生活習慣病が絡んでいることが多いです。つまり喫煙、運動不足、過度の飲酒、乱れた食生活が原因となっているケースです。よって生活を改め適度な運動を取り入れるだけで解消する可能性は十分にあります。
中折れは動脈硬化の指標でもあるので楽観的に「年とったな」で済まさず、しばらく健康診断を受けていない方は自身の健康状態を知るためにも健康診断を受けることをお勧めします。
30代や40代では子作りによるプレッシャーでの中折れも多いのも特長です。解消方法としてはプレッシャーからは回避できないので早めにED治療薬の服用を検討し、クリニック等で処方を受けることがよいでしょう。

50代の中折れ

この世代での中折れは40代同様、生活習慣病が絡んでいることも多いですが残念ながら加齢によるところが大きいです。もちろん40代同様、生活習慣の改善で解決できることもありますが、人間誰しも年を取ると視力、筋力、瞬発力、持久力等々、「力」の付くものは衰えていく生き物です。勃起力だけ落ちないなんてことはありません。ほとんどの方がED治療薬で解消できるので中折れでお悩みの方は積極的にED治療を行っている医院を受診しましょう。また、50代になると勃起の機会も少なくなってきます。オナニーにも抵抗を感じてくる世代かもしれませんが、勃起は陰茎にある海綿体の萎縮を防止できますし、射精時には陰茎や前立腺の血流も改善されるので健康には良いのです。勃起の頻度を上げることでED予防にもなります。毎日は厳しくとも「一日一勃ち」の心がけが大事です。

60代以降の中折れ

この年代になると、大抵の人は中折れの経験はあります。性欲自体も落ちかけてきているため性的興奮や性的刺激が上手く受けられないことも要因となります。しかし性的欲求とED治療薬があれば、まだまだ性行為も可能です。諦めていらっしゃる方も多いかもしれませんが性行為自体は適度な運動になるだけでなく、体内の様々な神経が刺激され免疫力が付き病気になり難い体を維持する効果もあります。つまり性行為は長生きの秘訣でもあるのです。

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