出産時の映像が頭から離れずED「マンガ」

浜松町第一クリニック 竹越昭彦院長 監修

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このケースは決して多いものではありませんが、実際に患者さんから「マンガと同じような理由でEDになってしまった」というご相談を受けることがあります。
例えば、第1子を授かった後、久しぶりに性行為をした際に、出産時の赤ちゃんの姿を思い出してしまい、性行為に対して強い抵抗感を覚えるというケースです。また、マンガのように、性行為の最中に出産の光景が頭に浮かび、それまで高まっていた性的な気持ちが一気に冷めてしまい、勃起できなくなることもあります。

近年では、出産に夫が立ち会うケースも珍しくありません。産婦人科の先生からも、陣痛が始まった奥様に寄り添い、背中をさすったり手を握ったりしながら、出産まで一緒に過ごす旦那様が増えていると聞きます。
苦しんでいる奥様を支え、夫婦で新しい命の誕生を迎えるという意味では、とても素晴らしいことだと思います。

ただし、出産に立ち会う際には、夫婦双方がどこまで見たいのか、どこまで見せたいのかを事前に考えておくことも大切です。

一般的には、旦那様は奥様の上半身側で手を握ったり声をかけたりしながら、赤ちゃんが無事に生まれてくるのを見守ることが多いようです。奥様にとっても、顔の近くに旦那様がいてくれることで安心できる場合があります。

一方で、なかには「赤ちゃんが生まれてくる瞬間を自分の目で見届けたい」と考え、奥様の下半身側から出産の様子を見たいという旦那様もいるそうです。また、旦那様自身はそこまで見たいと思っていなくても、奥様から「生命の誕生をしっかり見届けてほしい」と希望されるケースもあるでしょう。

もちろん、出産の瞬間をどのように見守るかは夫婦それぞれの考え方によるものです。しかし、出産で目にした光景が、その後の性行為に対するイメージに影響してしまう可能性があることも、頭の片隅に置いておく必要があります。

特に、出産時の光景が強く印象に残り、性行為の際にその記憶がフラッシュバックするように思い出されてしまうと、性的な興奮が妨げられ、勃起しにくくなることがあります。これは奥様への愛情がなくなったからでも、性的な魅力を感じなくなったからでもありません。出産という強烈な体験と性行為が頭の中で結び付いてしまったことによる、心理的な要因が関係している可能性があります。

こうしたEDが起こると、第2子を希望している夫婦の場合には、妊活にも影響が及ぶ可能性があります。また、奥様が「自分のことを女性として見られなくなったのでは?」と感じたり、旦那様が「出産に立ち会ったことを後悔している」と思い悩んだりするなど、夫婦間のすれ違いにつながることも考えられます。

そのため、出産への立ち会いを考える際には、「立ち会うことが良い・悪い」と一概に決めるのではなく、夫婦それぞれが無理なく参加できる形を選ぶことが大切です。出産のどの場面まで立ち会うのか、どの位置から見守るのかなどについて、事前に夫婦で話し合っておくのもよいでしょう。

出産に立ち会った後、「性行為をしようとすると、出産時の光景が頭に浮かんでしまう」「妻との性行為中に、赤ちゃんが生まれてきたときの映像を思い出してしまう」という男性がいます。

このようなケースは決して多くありませんが、出産時に見た強烈な映像と性行為のイメージが結び付いてしまうことで、性的な興奮が妨げられ、勃起しにくくなることがあります。

出産は人生の中でも非常に印象に残る出来事です。そのため、出産時の光景が強く記憶に残ること自体は不思議なことではありません。問題は、その記憶が性行為の場面で繰り返しよみがえり、性的な気持ちを邪魔してしまうことです。

出産時の光景が強烈な記憶として残っている

出産に立ち会った際に、普段見ることのない光景を目にすることで、その場面が強く印象に残ることがあります。特に、出産の瞬間を間近で見た場合には、「赤ちゃんが生まれてくる」という生命の誕生を目の当たりにすることになります。
その経験が強烈であるほど、後になって性行為をした際にも、意図せず当時の光景を思い出してしまうことがあります。すると、性的な興奮よりも出産時の記憶に意識が向いてしまい、勃起が弱くなったり、途中で萎えてしまったりすることがあります。

解決方法

出産時の記憶を「性行為とは別の出来事」として整理する

出産時の光景を思い出してしまうことを、「自分がおかしくなった」と考え過ぎないことが大切です。

  • 出産時の記憶が残ること自体は自然なことだと理解する
  • 「思い出してはいけない」と無理に抑え込まない
  • 出産と性行為はまったく別の出来事だと意識する
  • 時間をかけて夫婦の性生活を取り戻していく

無理に記憶を消そうとするのではなく、「あのときは出産を見届けた」「今は妻との親密な時間を過ごしている」と、それぞれを別のものとして捉えることが改善につながる場合があります。

出産と性行為が頭の中で結び付いてしまう

出産では、女性の身体の非常にプライベートな部分を目にすることになります。そのため、出産前には「妻との性行為」と「出産」という別々のイメージだったものが、出産をきっかけに頭の中で結び付いてしまうことがあります。
特に、出産時の光景を間近で見た男性ほど、「妻の身体=出産」というイメージが強くなり、性行為の際にもその記憶がよみがえってしまうことがあります。

解決方法

夫婦の「性的な関係」を少しずつ取り戻す

出産後は、いきなり以前と同じような性行為に戻そうとするのではなく、まずは夫婦としてのスキンシップを取り戻していくことが大切です。

  • 手をつなぐ、抱きしめるなどのスキンシップから始める
  • 夫婦二人で過ごす時間を増やす
  • 性行為を急いで再開しようとしない
  • 妻を「母親」だけでなく、一人の女性として見る時間を大切にする

「出産を経験した妻」と「恋愛・性的なパートナーとしての妻」は、どちらも同じ一人の女性です。二つの側面を無理に切り離す必要はありませんが、少しずつ夫婦としての親密さを取り戻していくことが大切です。

性行為中に出産の映像がフラッシュバックする

性行為を始めると、「あのときの映像が出てきたらどうしよう」と意識してしまい、実際に出産時の光景が頭に浮かんでしまうことがあります。
すると、性的な刺激を感じることよりも「また思い出してしまった」「勃起できるだろうか」と自分の状態を気にするようになり、緊張が強くなります。このような不安やストレスは、勃起を妨げたり、EDを悪化させたりすることがあります。

解決方法

「思い出してはいけない」と考え過ぎない

出産時の映像を無理に頭から追い出そうとすると、かえってそのことに意識が集中してしまう場合があります。

  • 映像が浮かんでも焦らない
  • 「また思い出した」と過度に気にしない
  • 勃起しているかどうかを何度も確認しない
  • キスやスキンシップなど、そのときの感覚に意識を戻す

「映像を思い出さないようにする」ことよりも、「思い出しても気にし過ぎない」という考え方のほうが、心理的な負担を減らしやすいでしょう。

「妻を女性として見られなくなったのでは」と不安になる

出産後に性行為がうまくいかなくなると、「自分は妻に性的な魅力を感じなくなったのではないか」と悩んでしまう男性もいます。また、妻側も「出産したことで女性として見てもらえなくなったのでは?」と不安になることがあります。
しかし、出産時の記憶が性行為を妨げているからといって、妻への愛情や性的な魅力がなくなったとは限りません。強い記憶や心理的な緊張が、一時的に性的な反応を妨げている可能性もあります。

解決方法

EDを夫婦の愛情の問題と決めつけない

  • 勃起できないことを「愛情がなくなった証拠」と考えない
  • 妻側も自分の魅力が原因だと考え過ぎない
  • 性行為以外の夫婦の時間を大切にする
  • お互いの気持ちを率直に話し合う

EDは心理的な要因だけでなく、血流や神経、生活習慣病など身体的な要因でも起こります。夫婦の愛情だけを原因と決めつけず、必要に応じて医療機関へ相談することも大切です。

一度うまくいかなかったことで「また失敗する」と考えてしまう

最初のうちは出産時の映像を思い出したことがきっかけだったとしても、一度性行為で勃起できない経験をすると、「次もまたダメなのではないか」という不安が生まれることがあります。
そして次の性行為では、出産の記憶だけでなく、「勃起できるだろうか」「途中で萎えたらどうしよう」という不安まで加わり、さらに勃起しにくくなることがあります。
「出産の映像を思い出す→勃起できない→また失敗するのが怖い→さらに勃起できない」という悪循環が形成されると、当初の原因以上に心理的なプレッシャーが大きくなってしまいます。

解決方法

性行為への自信を少しずつ取り戻す

  • 一度の失敗を必要以上に気にしない
  • 「最後まで成功させなければ」と考えない
  • 挿入だけを目的にせず、スキンシップを楽しむ
  • 必要に応じて医療機関へ相談する

不安が強い場合には、医師に相談したうえでED治療薬を使用することも選択肢の一つです。ED治療薬によって勃起を得られることで、「性行為ができた」という成功体験につながり、心理的な負担が軽くなる場合があります。


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