シアリスシアリスとの併用注意薬についての詳細

シアリスの併用注意薬について

シアリスの有効成分であるタダラフィルは主に肝臓にて代謝されます。その肝臓には多くのCYP3A4(CYP分子種の一種)という酵素が存在し、この酵素がタダラフィルの代謝には必要不可欠。薬剤の中には、このCYP3A4を阻害、または誘導する作用のあるものがいくつかあるので併用禁忌まではいかないまでも注意が必要です。具体的にはCYP3A4を阻害する作用の薬剤と併用することで血中濃度の上昇により、薬が効きすぎたり、代謝が遅れ薬効成分が体内に長く残ったりするので副作用の症状も出やすくなります。逆にCYP3A4を誘導することで代謝を早め、薬が効かなかったり、作用時間が短くなったりすることがあります。またシアリスは血管拡張作用があるため血圧を若干下げる作用があるため、降圧剤(特にα遮断薬)と一緒に服用することで相互作用により血圧が下がりすぎるために注意が必要な薬剤もございます。以下に詳細を記しておきますので参考にしてください。


薬剤名等臨床症状・借置方法機序・危険因子
CYP3A4阻害剤
ケトコナゾール、イトラコナゾール、クラリスロマイシン、テラプレビル、グレープフルーツジュース等
強いCYP3A4阻害作用を有するケトコナゾール(経口剤、国内未発売)との併用により、本剤のAUC及びCmaxが312%及び22%増加するとの報告がある。CYP3A4阻害によるクリアランスが減少。注1)
HIVプロテアーゼ阻害剤
リトナビル、インジナビル、サキナビル、ダルナビル等
リトナビルとの併用により、本剤のAUCが124%増加するとの報告がある。
CYP3A4誘導剤
リファンピシン、フェニトイン、フェノバルビタール等
リファンピシンとの併用により、本剤のAUC及びCmaxがそれぞれ88%及び46%低下するとの報告がある。CYP3A4誘導によるクリアランスの増加。注2)
α遮断薬
ドキサゾシン、テラゾシン等
ドキサゾシンとの併用により立位収縮期血圧及び拡張期血圧は最大それぞれ9.81mmHg及び5.33mmHg下降するとの報告がある。また、α遮断剤との併用で失神等の症状を伴う血圧低下を来したとの報告がある。本剤は血管拡張作用による降圧作用を有するため、併用により降圧作用を増強するおそれがある。
降圧剤
アムロジピン、メトプロロール、エナラプリル、カンデサルタン等
アンジオテンシンU受容体拮抗剤(単剤又は多剤)との併用により、自由行動下収縮期血圧及び拡張期血圧は最大それぞれ8mmHg及び4mmHg下降するとの報告がある。
カルペリチド併用により降圧作用が増強するおそれがある。

注1)クリアランスが減少とは、肝臓での代謝する能力が低下することを意味しています。代謝機能低下により血中濃度が上昇したり半減期が延長したりするということです。注2)クリアランスの増加は、その逆で代謝能力が向上することで満足な効果が得られない場合があります。

CYP3A4 阻害剤

本剤は主に薬物代謝酵素CYP3A4を介して代謝される。ケトコナゾール等のCYP3A4阻害剤との併用により、本剤の血漿中濃度が上昇するおそれがあるので、併用投与の際は注意すること。特に、ケトコナゾール等の強力なCYP3A4阻害作用を有する薬剤との併用は本剤の曝露量が増加するため、投与量や投与間隔の調節を考慮する必要がある。CYP3A4を強く阻害する薬剤を併用する場合には、低用量(5mg)から開始し、投与間隔を十分にあける(10mgを投与する場合は投与間隔を48時間以上)など、慎重に投与する必要がある。なお、安全性を考慮し、投与量は10mgを超えないこととした。

<ケトコナゾールとの相互作用試験>

  • 外国人健康成人男性12例を対象に、ケトコナゾール400mg(1日1回反復経口投与、国内未発売)と本剤20mgを併用投与した結果、本剤のAUC0-∞は312%、Cmaxは22%上昇し、みかけのクリアランスは約76%低下した。
  • 外国人健康成人男性18例を対象に、ケトコナゾール200mg(1日1回反復経口投与)と本剤10mgを併用投与した結果、本剤のAUC0-∞は107%、Cmaxは15%上昇した。

HIVプロテアーゼ阻害剤

本剤は主に薬物代謝酵素CYP3A4により代謝される。CYP3A4阻害作用を有するリトナビル等のHIVプロテアーゼ阻害剤との併用により、本剤の血漿中濃度が上昇するおそれがあるので、併用投与の際は注意すること。

<リトナビルとの相互作用試験>

  • 外国人健康成人男性8例を対象に、リトナビル200mg(1日2回)と本剤20mgを併用投与した結果、本剤のCmaxは同程度であったが、AUC0-∞は124%増加した。
  • 外国人健康成人16例を対象に、リトナビル500mg又は600mg(1日2回投与)と本剤20mgを併用投与した結果、本剤のCmaxはいずれも約30%低下したが、AUC0-∞はそれぞれ約48%及び18%(統合すると32%)増加した。

CYP3A4誘導剤

本剤は主に薬物代謝酵素CYP3A4により代謝される。リファンピシン等のCYP3A4誘導剤との併用により、本剤の血漿中濃度が低下するおそれがあるので、併用投与の際は注意すること。

<リファンピシンとの相互作用試験>

  • 外国人健康成人男性18例を対象に、本剤とリファンピシンを併用投与した結果、本剤の血漿中濃度が低下した。また、みかけのクリアランスは約8.5倍増加し、AUC0-∞(88%減少)及びCmax(46%低下)に臨床的に有意な低下が認められた。

α遮断薬

同じα遮断剤に分類されている薬剤であっても、本剤との併用による血圧に対する影響の程度は異なる。ドキサゾシンは本剤と併用することにより、血圧下降を引き起こす可能性がある。また、α遮断剤との併用で失神等の症状を伴う血圧低下を来したとの報告がある。したがって、本剤とα遮断剤との併用を行う場合は、個々の患者が使用しているα遮断剤の種類や患者の症状に十分注意すること。

<ドキサゾシンとの相互作用試験>

  • 健康成人18例を対象に、ドキサゾシン8mgを反復経口投与時の定常状態で、本剤20mgを単回経口投与した結果、立位の収縮期及び拡張期血圧の最大下降量はそれぞれ9.81及び5.33mmHg、臥位の収縮期及び拡張期血圧の最大下降量はそれぞれ3.64及び2.78mmHgであった。

<タムスロシンとの相互作用試験>

  • 健康成人18例を対象に、タムスロシン0.4mgを反復経口投与時の定常状態で、本剤20mgを単回投与した結果、立位の収縮期及び拡張期血圧の最大下降量はそれぞれ2.3及び2.2mmHg、臥位の収縮期及び拡張期血圧の最大下降量はそれぞれ3.2及び3.0mmHgであり、明らかな血圧への影響は認められなかった。

降圧剤

本剤10mg又は20mgと種々の降圧剤単剤との併用においては、臨床薬理試験において臨床上問題となる所見は得られていない。しかし、複数の降圧剤を使用している場合や、血圧のコントロールが悪い患者に本剤を投与する場合には、降圧剤による血圧降下を増強するおそれがあるため、併用投与の際は注意すること。

<降圧剤との相互作用試験>

  • 外国人健康成人18例を対象に、カルシウム拮抗剤のアムロジピン5mg(1日1回反復経口投与)を本剤10mgと併用した結果、自由行動下収縮期血圧及び拡張期血圧は最大それぞれ3mmHg及び2mmHg下降した。
  • 外国人健康成人20例を対象に、カルシウム拮抗剤のアムロジピン5mg(1日1回反復経口投与)を本剤20mgと併用した結果、自由行動下収縮期血圧、拡張期血圧及に臨床的に有意な差はなかった。
  • 外国人高血圧患者18例を対象に、β遮断剤のメトプロロール25〜200mg(1日1回反復経口投与)を本剤10mgと併用した結果、臥位及び立位共に収縮期及び拡張期血圧はわずかに下降した。しかし、その差は10mmHg程度であった。
  • 外国人高血圧患者16例を対象に、アンジオテンシン変換酵素阻害剤のエナラプリル10〜20mg(分割して1日2回反復経口投与)を本剤10mgと併用した結果、プラセボ投与時に比べて、臥位及び立位血圧はやや低かったが、その差はわずか(5mmHg)であり、臨床的に有意な差ではなかった。
  • 外国人高血圧患者18例を対象に、アンジオテンシンU受容体拮抗剤(カンデサルタン等)(反復経口投与)を本剤20mgと併用した結果、自由行動下収縮期血圧及び拡張期血圧は最大それぞれ8mmHg及び4mmHg下降した。

カルペリチド

急性心不全治療剤であるカルペリチドは、ヒトα型心房性ナトリウム利尿ペプチドであり、血管平滑筋の膜結合型グアニル酸シクラーゼを活性化し、細胞内cGMPレベルを上昇させることにより血管を弛緩させる。一方、本剤は、血管及び陰茎海綿体などの平滑筋における主要なcGMP加水分解酵素であるPDE5を阻害し、細胞内cGMP濃度を上昇させて平滑筋弛緩作用を亢進する。現在のところ、本剤とカルペリチドとの相互作用に関する基礎実験並びに臨床データは得られていないが、併用により血圧降下を増強するおそれがあるため、併用投与の際は注意すること。