プロペシアジェネリック未承認薬「フィンペシア(Finpecia)」について

浜松町第一クリニック竹越昭彦院長監修

プロペシアの国際特許が有効である時に半ば特許を無視して製造販売されたので日本国内では正式にはインド製のコピー版プロペシアという位置付けです。

フィンペシアとは、インドのマハラーシュトラ州のムンバイに拠点を置くシプラ社(Cipla Limited)が製造販売するプロペシアと同じフィナステリドを有効成分とするAGA治療薬です。ちなみに、このシプラ社は1935年に設立され、数多くの剤形製造技術を持っています。これまで「抗生物質」「抗がん剤」「HIV治療薬」を中心に1,500種類以上の治療薬を150カ国以上で販売。現在では売上高1,700億円(2012年~2013年)、従業員20,000人を抱えるインド国内でも3~4番手の大きな製薬会社です。

さて、フィンペシアについてですが、皆さんが不思議に思われるのは「プロペシアの特許満了を迎えていないのに、なぜインドでは同じ有効成分、同じ効能の薬剤のジェネリックが発売されているのか?」という点かと存じます。ここについてはページ下部の「どうしてインドでは国際特許が切れていないのにジェネリックが存在するのか?」をご覧下さい。
このフィンペシア、実は日本国内では非常に多くの人がインターネットなどで個人輸入業者を介して入手して服用している人が多いのです。なぜかというと、国内の医療機関でプロペシアの処方を受けると1錠あたり250円程度の費用がかかるのですが、個人輸入だと1錠25~32円くらいまでコストが抑えられるからです。なんと10分の1程度まで安くなるので、個人輸入は危険であるとわかっていたとしても試したくなる人が後をたたないのが現状です。

フィンペシアを入手するには医師でも一般の方でも海外から個人輸入しか方法がありません。つまり正規ルートは一切存在しないため国内にて流通しているフィンペシアはシプラ社が製造したものではないもの、つまり偽物も非常に多いので個人輸入はもちろんのことクリニックからの処方であっても危険です。最近では「関東信越厚生局にて薬監証明を発給」してもらっていることで「厚労省から認められている」「安心・安全」「正規品」「本物」等々の文言を並べ、さも安全であるかのように見せかけている悪質なクリニックもあるようですが関東信越厚生局での薬監証明発給というのは、通関時に担当事務員が必要書類だけ目を通して”厚生労働省確認済”という印鑑を捺印するだけの単なる事務手続きだけであって、正規品である証明でも無く、薬の安全性を補償するものでも何でもありません。のでご注意下さい。

国内では、ファイザーをはじめ沢井製薬、東和薬品も厚労省から認可を得たプロペシアのジェネリックが発売開始され一昔前より4割くらい安く処方を受けられるようになりました。非正規品のフィンペシアではなく厚労省から認可を得たプロペシアジェネリックを服用するようにしましょう。
当医院にて今までプロペシア処方を受けていた方はジェネリックに切り替える人が多くなり、個人輸入でプロペシアを購入してきた人も受診される人が徐々に増えてきています。

以下の画像は、インターネットにて、それらしいものを販売している個人輸入代行業者の通販サイトを適当に探して入手しただけなので本物なのか偽物なのかは判断できかねますことをご了承ください。


商品名:フィンペシア(finpecia)
製造元:シプラ社(Cipla Limited)
主成分:フィナステリド
効 果:プロペシアとほぼ同じとされている

国内にてフィンペシアを入手するには偽物を掴まされる可能性のある個人輸入しか方法はありません。2016年に行われた大手製薬会社4社合同による偽造ED治療薬調査でも個人輸入したED薬の約4割が偽物であったという調査結果が出ています。
また、万が一重篤な副作用等により健康被害に遭っても医薬品副作用被害救済制度という治療費を救済してくれる公的な制度も利用できないので、何があっても自己責任となります。よって、医師でも一般の方でも個人輸入でしか手に入れることのできないフィンペシアを入手する行為自体、自身の身体に危険を及ぼす可能性があるため止めておくのが賢明です。

個人輸入等でミノキシジルタブレットを入手しフィンペシアとの併用を考える人も多いですが、服用するタイプのミノキシジルは安全性が確立されていないので危険です。FDAでも日本の厚労省でも不認可です。リアップやロゲインなどのミノキシジルを含む外用薬は日米共に認可が下りています。

インド国内では2005年まで物質特許が定められていなかったので、国際特許が残っている医薬品でも2005年以前から製造販売されていた薬に関しては特許の権利を保有している製薬会社に定められた費用を支払えば合法的に発売が可能になってしまっていることが理由の一つとしてあげられます。

しかし一番の理由は、国際的には非合法とも取れるインド製のジェネリックが、実は発展途上国にとっては必要不可欠だからなのです。
【国境なき医師団】というのを聞いたことがある人も多いかと思います。紛争や自然災害の被害者や貧困の多い国にて、病気になっても治療費が支払えず満足に治療も受けられない人のために治療活動をしている非営利団体です。
発展途上国で問題になっているHIVも【国境なき医師団】にとっては治療の対象です。しかし、この治療薬を先進国と同じ製薬メーカーのものを使用すると、何しろ高額すぎて非営利団体の財政ではとても賄いきれないのでインドのジェネリックに頼らざるを得ないのです。HIV治療薬に限らず他の抗生物質など一般的な医薬品なども、【国境なき医師団】が使用する薬のほとんどはインドのジェネリックという状況です。
このような理由により、インドで物質特許が認められた2005年以降に製造販売されたジェネリックに関しても、慈善事業が絡んでいるのと、地元インド国内の製薬会社からの反発も大きいため、先発メーカーが泣き寝入りするしかない状況は今でも続いているのです。

フィンペシアはコーティング剤に黄色203号(キノリンイエローWS)というタール色素が使用されていて、これが体に害を及ぼすどころか発がん性物質であるという噂が流れています。欧州では2008年に子供の注意欠陥や多動性障害の症状が増加するとして、食品添加物にキノリンイエローを含む6種類の合成着色料を自主規制対象としたことも噂が広まるのを後押したのではないでしょうか?しかし実際には、フィンペシアのように毎日服用するお薬でもコーティング剤として極微量の場合は問題ないとされています。日本国内でも使用量に制限があるようですが、厚労省も医薬品等に使用することができるタール色素の中にキノリンイエローを認めています。以下の「医薬品等に使用することができるタール色素を定める省令(厚生省令第三十号) 」を参考にして下さい。第二部の「34」にあります。
しかしながら、フィンペシアは毎日服用するお薬であるので、ここまで噂が広まるとシプラ社としては売上に左右すると判断してか、今現在流通しているものはすべて箱に以下の画像のように「Quinoline Yellow Free」の表記があり、キノリンイエローは使用していないようです。
このように記されているからといって本物に似た偽造品である可能性があるので安心して服用することはできないということを付け加えさせていただきます。



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