早漏(PE)とEDの意外な関係

浜松町第一クリニック 竹越昭彦院長 監修

早漏とはPE(Premature Ejaculation)とも表され、「性行為の際、挿入後に希望時間より早期に射精してしまう状態が繰り返されること」を言います。
国際性医学会(ISSM)では性行為時に「毎回」もしくは「ほぼ毎回」挿入前または挿入後1分以内に射精してしまうこと。また射精を上手くコントロールできないことでの苦痛や悩み、不満を感じ性的行為を避ける症状。と早漏を定義しています。
参考文献(英文)⇒BJU Int. 2008 Aug;102(3):338-50. Epub 2008 May 21.

しかし、早漏を考える上で「挿入後に"希望時間"より早期に射精してしまう」というところが重要であるため、一概に「1分以内とか3分以内だと早漏」と定義するのは非常に難しいことであると思っています。
この"希望時間"については調査結果を次項にて紹介している通り、人によって全く異なっています。例えば希望時間が15分程度と考えてる人が毎回挿入後15分以上射精せずにいたのが、いつしか挿入後5分で射精してしまうようになった場合は早漏になったと自覚してしまうのです。しかし昔から希望時間は5分と思っている人は5分で射精しても早漏とは思わないし早漏ではないのです。
つまり早漏の概念は「希望挿入時間と実際の射精時間の差」が非常に重要になってくるので、単純に挿入後の射精までの時間で定義付けすることはできないと考えています。
更に「女性の考える早漏」まで幅を広げると「パートナーである女性の性行為時の挿入から射精までの希望時間」も考慮しなくてはいけないので、更に早漏の定義は難解となります。

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2019年11月に日本人男性2,000人(20~79歳)を対象に当院が行った日本のED(勃起不全)有病者数調査2019にて「性行為時に適正と思う挿入時間はどれくらいか?」をアンケート調査した結果が以下の通りです。

適正時間人数構成比
約1分51人2.6%
約3分130人6.5%
約5分327人16.4%
約7分139人7.0%
約10分593人29.7%
約15分412人20.6%
約30分248人12.4%
約45分38人1.9%
1時間以上43人2.2%
その他19人1.0%
合計2,000人100.0%

一番多いのが「10分」次いで「15分」「5分」「30分」「7分」「3分」という順です。この調査から成人男性の半数の方は挿入時の適正時間は10~15分と思っていることになります。

前項の調査にてEDと早漏の関係性を調べるため同じく日本人男性2,000人(20~79歳)を対象にして以下の通り「軽度~完全ED」とEDの進行度別にて「早漏だと思う」「どちらかといえば早漏だと思う」「標準だと思う」「どちらかといえば遅漏だと思う」「遅漏だと思う」の5段階で自身の早漏状態について回答してもらいました。

  • EDではない
  • 軽度ED:たいていの場合性交に十分な勃起を得ることができて維持することもできる
  • 中等度ED:時々、性交に十分な勃起を得ることができて維持することもできる
  • 完全ED:毎回、性交に十分な勃起が得られないまた、維持もできない

20~79歳全体では、わずかの差ではありましたが、EDではない人に比べると中程度以上のEDの人のほうが、自身を早漏だと感じていることがわかりました。
しかし、50代以上に限ってみると因果関係が明確となる調査結果となりました。50代以上の中程度ED、もしくは完全EDの人で「早漏だと思う」と答えた人の割合は、EDではない人に比べて2.5倍以上の差があることがわかりました。

ED進行別の早漏状態調査結果

対象者:50~79歳の日本人男性987人(「EDではない:246人」「軽度ED:304人」「中等度ED&完全ED:437人」)
※EDの症状に対する調査結果よりクロス集計

 EDではない軽度ED中等度ED・
完全ED
早漏だと思う18人(7.3%)26人(8.6%)83人(19%)
どちらかといえば早漏45人
(18.3%)
81人
(26.6%)
110人
(25.2%)
標準だと思う154人
(62.6%)
171人
(56.3%)
178人
(40.7%)
どちらかといえば遅漏16人(6.5%)19人(6.3%)42人(9.6%)
遅漏だと思う13人(5.3%)7人(2.3%)24人(5.5%)
合計246人304人437人

上記集計表をインフォグラフィックで表示


標準と思う性行為の長さをEDの進行別で調査

これについても50歳以上を対象にEDの進行別にて調査した結果、早漏の人の方が標準と思う性行為の長さが短い傾向にあることがわかりました。
標準と思う性行為の長さの回答を「EDではない人:中程度以上のEDの人」で比較すると以下の表の通り【1分「1.6%:5.3%」】【3分「4.1%:8.0%」】【5分「14.2%:20.4%」】という結果から50歳以上で中等度以上のEDで悩まれている方は心理的に適正と思う性行為の長さにも大きく影響しているということです。

標準時間EDではない軽度ED中等度ED・完全ED
約1分4人(1.6%)3(1.0%)23人(5.3%)
約3分10人(4.1%)23人(7.6%)35人(8.0%)
約5分35人(14.2%)58人(19.1%)89人(20.4%)
約7分13人(5.3%)23人(7.6%)35人(8.0%)
約10分72人
(29.3%)
95人
(31.3%)
128人
(29.3%)
約15分48人(19.5%)67人(22.0%)77人(17.6%)
約30分40人(16.3%)28人(9.2%)36人(8.2%)
約45分4人(1.6%)2人(0.7%)5人(1.1%)
1時間以上17人(6.9%)3人(1.0%)2人(0.5%)
その他3人(1.2%)2人(0.7%)7人(1.6%)
合計246人304437人

50歳以上のEDではない方で早漏に悩んでいる人は246人中63人(25.6%)。それに対して中等度以上のEDで悩んでいる50歳以上の方の中で同時に早漏にも悩みを抱えている人は437人中193人(44.2%)もいることがわかりました。
では何故、EDの人に早漏が多いのか?
この理由は、ED気味になると「中折れになってなるものか!」とか「どうにか陰茎の硬さが十分な内に射精したい!」と頑張り過ぎること、つまり挿入後の腰の動きを早めたり、イキみ気味となるため射精が早まってしまうことがあげられます。
また、ED気味になると十分な硬さ(カチカチ)の陰茎に比べて物理的な刺激を多く受けてしまうためという理由もあります。

集計期間:2022年8月17日~19日
調査方法:インターネット集計
調査対象:全国の20~79歳(5歳階級別) 男性 合計6,000名中、ED治療薬の服用経験がある835人を対象
Q.ED治療薬を服用して射精に至るまでの時間に変化はありましたか。(お答えは1つ)

年代 合計 射精時間が
遅くなった
変化なし 射精時間が
早まった
20代 141人(100%) 94人(66.7%) 37人(26.2%) 10人(7.1%)
30代 126人(100%) 90人(71.4%) 34人(27.0%) 2人(1.6%)
40代 144人(100%) 72人(50.0%) 61人(42.4%) 11人(7.6%)
50代 160人(100%) 84人(52.5%) 69人(43.1%) 7人(4.4%)
60代 151人(100%) 79人(52.3%) 58人(38.4%) 14人(9.3%)
70代 113人(100%) 57人(50.4%) 46人(40.7%) 10人(8.9%)
合計 835人(100%) 476人(57.0%) 305人(36.5%) 54人(6.5%)

以上の調査結果と前項の早漏の理由からもわかる通りED治療薬は早漏防止にも一役買う可能性があるという根拠といえるでしょう。
特に20~30代では約69%がED治療薬の服用により射精に至るまでの時間が遅くなったと回答し、射精が早まったと回答した人は僅か4%ですから、この世代で早漏に悩んでいる人はED治療薬の服用を視野に入れてもよいかもしれません。

実際に当院に来院される患者様から「早漏気味だったのがバイアグラにより勃起力が増したことで早漏気味が解消された」という話を多く耳にします。
勃起力が弱まってきて、尚且つ早漏気味の悩みを抱えている人はED治療薬がEDと早漏(PE)の悩みを同時に解決してくれる可能性が充分にあるので是非とも試してみて下さい。

参照ED治療薬で射精を遅らせることが可能か|年代別統計

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