シアリスシアリスの食事の影響・血中濃度・代謝

浜松町第一クリニック竹越昭彦院長監修

シアリスの各種資料(添付文書やインタビューフォーム等)には、【外国人の健康成人18例に「高脂肪食の食後」「空腹時」にシアリス20mgを1錠経口投与したとき、最高血漿中濃度や半減期等の薬物動態データに食事摂取による影響は認められなかった。】と記されています。さらに、インターネットでの様々な情報や病院で処方を受ける際に医師からも「食事の影響は無い」と発信されていることから、たっぷり食事をしてからシアリスを服用し、効果が感じられなかったという方も多いのでは無いでしょうか。

しかし、実際は食事の影響はあります。
当院の患者様も「食後にシアリスを服用したら効かなかったが、空腹時に服用したら効果があった」という方が多いことからも明らかです。

ここで食事の影響について少し掘り下げて説明いたします。発売当初は製造元であるイーライリリー社の資料には800kcalまでは食事の影響はないと明記されておりました。現在は「食事の影響が無い」ということを強調したいのか800kcalまでという条件が記されている資料はありません。では、この800kcalとはどのようなお食事か?目安は以下の通りです。

  • ケンタッキーオリジナルチキン:237 kcal(カロリー)
  • カレーハウスCoCo壱番屋 ポークカレー:755 kcal
  • すき家 牛丼/中盛:798 kcal
  • 築地銀だこ たこ焼(ソース・マヨネーズ・青のり・鰹節込):665 kcal
  • マクドナルド ビックマック:525 kcal
    /マックフライポテト(S):225 kcal

【重要】800kcalまでは食事の影響はないとありますが、バイアグラやレビトラと同じくシアリスも空腹時に服用した方が体内への吸収が早いため効果も鋭く明らかに速効性があるのは確かです。

参考までに具体的な服用タイミングの例を示します。例えば19時~21時まで食事で22時から性行為という場合、食事の1時間前である18時にシアリス錠を服用しておけば19時の食事の時点で薬がある程度体内に吸収されるので、食後すぐに服用するよりも効果を引き出すことができます。

しかしながら実際には食事をしてからでないと性行為が行われるかどうかわからない場合も多々あるかと思います。そういった場合には、脂質の多い焼肉や揚げ物等は避け、あっさりした和食系を中心にして、お腹いっぱいまで食べず腹7分目くらいに抑えるといった工夫により薬の効果を引き出せます。是非、覚えておいて下さい。

(1) 単回投与

日本人健康成人36例にタダラフィル5、10、20、40mgを単回経口投与したときのタダラフィルの血漿中濃度は、投与0.5~4時間(Tmaxの中央値、3時間)の間にピークに達した後、消失した。消失半減期は約14~15時間であった。




mg
nAUC0-∞
(μg・h/L)
Cmax
(μg/L)
Tmax*1
(h)
T1/2
(h)
5
mg
241784
(35.3)
95.6
(30.0)
3.00
(0.500~4.00)
14.2
(19.9)
10
mg
233319
(32.5)
174
(26.5)
3.00
(0.500~4.00)
14.2
(19.9)
20
mg
245825
(23.2)
292
(26.1)
3.00
(1.00~4.03)
14.2
(19.9)
40
mg
2310371
(32.3)
446
(20.2)
3.00
(0.500~4.00)
14.4
(20.0)

AUC0-∞:0時間から無限大時間までの血漿中濃度-時間曲線下面積
Cmax:最高血漿中濃度
Tmax:最高血漿中濃度到達時間
T1/2:消失半減期(血漿中濃度半減期)

幾何平均値(変動係数%)
*1 中央値(範囲)

《健康成人にタダラフィル5mg、10mg、20mg、40mgを単回投与したときの血漿中タダラフィル濃度推移》
注:40mgは国内承認用量と異なる。

(2) 反復投与(外国人における成績)

日本人健康成人18例にタダラフィル20mgを1日1回10日間反復経口投与したときのタダラフィルの血漿中濃度は、投与4日目までに定常状態に達した。定常状態でのタダラフィルのAUC及びCmaxは初回投与時と比べて約40%増加した。

《健康成人にタダラフィル20mgを1日1回10日間反復投与したときの血漿中タダラフィル濃度より算出した薬物動態パラメータ》




mg
nAUC*2
(μg・h/L)
Cmax
(μg/L)
Tmax*3
(h)
T1/2
(h)
1
日目
184478
(14.9)
339
(16.3)
3.00
(1.00~4.00)
-
10
日目
176430
*4 (18.7)
461*5
(18.4)
3.00
(2.00~4.00)
14.5
(17.9)
幾何平均値(変動係数%)
*2 投与間隔間(24時間)での血漿中薬物濃度下面積
*3 中央値(範囲)
*4 定常状態における投与間隔間(24時間)での血漿中薬物濃度下面積
*5 定常状態における最高血漿中薬物濃度

代謝部位:主に肝臓で代謝されると考えられる。
代謝に関与する酵素(CYP450 等)の分子種:主にチトクロームP450 3A4(CYP3A4)により代謝されると考えられる。
健康成人6例に14C-タダラフィル100mgを単回経口投与したときの、投与後312時間までの放射能回収率は糞便中60.5%、尿中36.1%であった。
糞便中には主にメチルカテコール体、カテコール体、尿中には主にメチルカテコールグルクロン酸抱合体及びカテコールグルクロン酸抱合体が認められた。
血漿中には主にタダラフィル未変化体及びメチルカテコールグルクロン酸抱合体が認められた。また、血漿中のメチルカテコール体はメチルカテコールグルクロン酸抱合体の10%未満であった。

注:100mgは国内承認用量と異なる。

上記のように添付文書やインタビューフォームに記されています。ここで大事なことが1つございます。それは、代謝に必要な酵素チトクロームP450 3A4(CYP3A4)の働きを悪くする果物があることです。
その果物とはグレープフルーツです。グレープフルーツ摂取後は薬の効果が増強し、想定外の副作用を発症させてしまう可能性があるので注意が必要です。

シアリスの資料には、健康高齢者12例(65~78歳)及び健康若年者12例(19~45歳)にタダラフィル10mgを単回経口投与したとき、Cmaxは高齢者と若年者とでほぼ同様であったが、高齢者のAUC0-∞は若年者に比べ約25%高値であった、とあります

これは、代謝機能や排泄機能が加齢により低下していくことが要因です。最高血漿中濃度に変化が無く、代謝・排泄速度が遅いので消失半減期が伸び、結果的にAUC(薬物濃度時間曲線下面積)が多くなるということです。
このような理由から、高齢者の方で初めてシアリスを服用する際は10mgから試す等、小容量から段階的に服用するようにしましょう。

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