食物繊維の働きとおすすめの食材 2016.08.03 wed

意識しないと摂りすぎてしまう塩分、そして、意識しないと不足しがちになってしまう栄養素のひとつに「食物繊維」があります。食物繊維はヒトの消化酵素では消化できない炭水化物で、糖質、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラルの五大栄養素に加え、近年では第六の栄養素といわれるほど、体に重要な役割を果たしています。食物繊維の1日の摂取目標量は、成人男性で20g以上、成人女性で18g以上とされています。しかし、動物性食品の摂取過多やファーストフードの普及などの食の欧米化により、どの年齢階級においても摂取目標量を満たしていないのが現状です。食物繊維の不足は体にどんな影響を及ぼすでしょうか。

食物繊維は「不溶性食物繊維」と「水溶性食物繊維」の2つに分類されます。「不溶性食物繊維」は腸を刺激して排便を促進させ、体内の有害物質を排出する手助けをし、主に、野菜や果物、きのこ類、未精製の穀類に含まれます。「水溶性食物繊維」は血糖値の急上昇を防いだり、血中コレステロールの吸収を抑制するなどの働きがあり、こんにゃくや海藻類などに含まれます。動物性食品を中心とした単品料理や、野菜の少ないファーストフードが日常化していると、必然的に食物繊維の摂取が少なくなり、便秘はもちろん、糖尿病や脂質代謝異常をはじめとする生活習慣病を招く原因となります。

食物繊維の多い代表的な食材として、ごぼうやアボカド、モロヘイヤやオクラなどのネバネ野菜、えのき、ひじきなどが挙げられます。また、野菜だけでなく、おからや納豆などの豆製品にも多く含まれます。中でもおすすめなのが「アボカド」。1/2個で約4gほどの食物繊維を摂取でき、不溶性・水溶性ともにバランスよく含みます。食物繊維の多い食材は、下処理や加熱調理を要することが多いですが、アボカドは非加熱調理で手間いらず!また、幅広い食材と相性がよいので、いつもの料理にトッピングするだけで手軽に食物繊維を摂取することが出来ます。男性の好きなカレーやハンバーグのトッピングにはもちろん、フォークでつぶして魚のソースにしたり、納豆やお味噌汁などにいれても美味しくいただけます。

仕事の会食や友人との外食が続く場合は“朝ごはん”でしっかりと補給を。和食の基本であるごはんと味噌汁の組み合わせは、食物繊維をたっぷり摂れる最適な食事です。主食を玄米ごはんや雑穀ごはんに、味噌汁は飲むためのものではなく、野菜を食べるものとしましょう。余った野菜をたっぷりいれて、冷蔵庫も腸もスッキリですよ! 精のつくレシピ集では、手軽に食物繊維がとれるレシピも紹介しています。5分で作れるレシピもあるので、忙しい朝にもおすすめです。

参考レシピ

亜鉛 … 免疫力アップ、糖尿病予防、疲労解消

セレン … 精子の形成や老化・がん予防

マンガン … 骨の形成、糖質・脂質の代謝

ビタミンE … 抗酸化作用、血行促進効果

ビタミンB1 … 疲労回復、スタミナ増強

ビタミンB2 … スタミナ増強、過酸化物質を除去

ビタミンC … 免疫力を高める、抗酸化作用

アルギニン … 精子数や精子の運動率を上げる、子宮内膜を厚くする

アスパラギン酸 … 疲労回復や利尿作用

ムコ多糖類 … 疲労回復や滋養強壮

クエン酸 … 疲労回復、スタミナ・食欲増進

執筆者

緑川 鮎香

管理栄養士・フードコーディネーター・オリーブオイルジュニアソムリエ


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