竹越昭彦院長コラム「自転車ED」

代表的なEDのタイプ「自転車ED」

8. 自転車ED

最近、街中で自転車に乗ったスーツ姿の男性をよく見かけるが、「自転車ツーキニスト」と呼ばれる自転車通勤をする人が増えている。エコロジーの観点や健康志向への関心の高まりを反映してのこうした動きは、ますます盛り上がりそうだ。

自転車に乗れば適度な運動になり、血行を促す効果も期待できる。血流の悪化がEDの一因になることを考えればED対策にもなりそうだが、逆に「自転車ED」を引き起こしてしまうこともある。長時間、自転車に乗っていると会陰部にサドルの圧力がかかり、ここを通っている勃起に必要な血管や神経が圧迫される。ペニスへの血液の循環が持続的に妨げられることで、結果、器質性EDを招いてしまうのである。サイクリング・ブームを受けて、最近はスポーツタイプの自転車に乗る人も多いが、こうした自転車は前傾姿勢で乗るようになっており、より会陰部への圧迫が強まることになる。加えて、サドルが細いのでさらに圧力は強まり、ペニスへの血の巡りが悪くなってしまうのだ。

実際、サイクリングの盛んな「自転車先進国」のアメリカでは、「自転車ED」を発症している男性が300万人いるという報告もある。ツール・ド・フランスのような自転車のロードレースの選手や、日常的に自転車に乗っている競輪の選手にもこのタイプのEDは多いと聞く。ただ、買い物や通勤の際に最寄り駅までといった日常生活で自転車に乗るぶんには、ほとんど問題はないだろう。しかし、通勤で一日2時間も自転車に乗るような場合にはEDのリスクが高まる。

「自転車ED」を防止するには、自転車に長時間乗らなければいいが、最近では股間を圧迫しないサドルや圧迫を緩和するようパッドの入ったサイクリング用のパンツも売られているので、活用するといいだろう。