妻とだけED「マンガ」
浜松町第一クリニック 竹越昭彦院長 監修
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このマンガのように、妻との性行為中に勃起が弱くなったり、途中で中折れしたりすると、妻は「浮気をしているのでは?」「私への愛情が冷めたのかも」「私に魅力がなくなったのでは?」など、さまざまな不安を抱いてしまうことがあります。
そして、そんな妻の様子を見た夫も、「なぜそんなふうに考えるのだろう」と戸惑い、どう対応すればよいのかわからなくなってしまう――このような夫婦間のすれ違いは、決して珍しいものではありません。
実際に、EDの相談で来院された男性からこのような悩みを伺うこともあれば、夫の勃起について悩んでいる奥様からご相談をいただくこともあります。
現代のサラリーマンは、仕事のプレッシャーや人間関係、長時間労働など、さまざまなストレスを抱えています。慢性的な疲労や睡眠不足が続けば、性的な興奮が起こりにくくなり、勃起機能にも影響することがあります。また、マンガに描かれているように、長年の夫婦生活による性行為のマンネリ化が、性的な刺激や興奮に影響することもあります。
一方で、糖尿病や高血圧、脂質異常症などの生活習慣病がEDの原因となっている可能性もあるため、「妻との性行為だけで起こるから心理的なもの」と決めつけることはできません。ただし、妻以外の相手やマスターベーションでは問題なく勃起できるのであれば、特定の状況でのみ起こる心因性EDや、ストレス・緊張などの心理的要因が関係している可能性も考えられます。
たとえば、こういちさんのように結婚して5年、10年と夫婦生活が続けば、妻は「一緒にいることが当たり前」であり、何でも話せる安心できる存在になっていくでしょう。これは夫婦にとって、とても良い関係性です。
しかし、その安心感が強いがゆえに、性行為の場面では新鮮な刺激よりも「安心して休みたい」という気持ちが勝ってしまうことがあります。特に仕事で疲れているときなどは、妻への愛情があっても性的な気分になれず、たまたま勃起しにくくなることもあります。
ところが、夫にとっては「今日は疲れていたから」「ちょっと刺激が足りなかったのかな」程度の出来事でも、妻にとってはそう簡単には受け止められない場合があります。
「性欲がなくなったのかな」→「私への愛情が薄れたのかな」→「もしかして浮気?」→「私に魅力がなくなったのでは?」と、さまざまな不安が連鎖してしまうことがあるのです。
そして、妻から「最近、私とはできなくなったよね」などと言われると、夫も「また失敗したらどうしよう」「妻を傷つけてしまうかもしれない」と意識するようになり、次の性行為でさらに緊張してしまうことがあります。
このように、夫の一度の中折れをきっかけに、妻の不安が強くなり、その不安が夫へのプレッシャーとなって、さらに勃起しにくくなるという悪循環が生じることがあります。
こうしたケースでは、まず夫婦がお互いに「勃起できない=愛情がない」「中折れした=浮気をしている」と決めつけないことが大切です。EDは、疲労やストレス、生活習慣病、薬の影響など、さまざまな原因によって起こります。
そのうえで、夫婦で率直に話し合ってみることも重要です。長く一緒に暮らしていると、性について話すことはどうしても気恥ずかしく感じるものです。しかし、「最近ちょっと疲れているのかもしれない」「もっとゆっくり二人の時間を過ごしてみよう」など、お互いの気持ちを伝えるだけでも、性行為に対するプレッシャーを軽くできる場合があります。
また、デートをする、普段とは違う場所で二人きりの時間を過ごす、スキンシップを増やすなど、夫婦の関係に新鮮さを取り戻す工夫も一つの方法です。性行為そのものを「成功させなければならないもの」と考えるのではなく、まずは二人で親密な時間を楽しむことから始めてみてもよいでしょう。
それでも中折れが繰り返される場合や、勃起力の低下が以前より明らかになっている場合には、ED治療を検討することも一つの選択肢です。ED治療薬によって勃起をサポートし、性行為がうまくいく経験を重ねることで、勃起への不安やプレッシャーが軽くなることもあります。
ただし、ED治療薬だけに頼るのではなく、疲労やストレス、生活習慣、夫婦関係など、EDの背景にある原因にも目を向けることが大切です。
長年連れ添った夫婦だからこそ、「今さらこんなことを話すのは恥ずかしい」と思ってしまうかもしれません。しかし、これまで築いてきた夫婦関係をより良いものにするためにも、性について話し合うことは決して悪いことではありません。
「勃起できないこと」を夫婦の問題として責め合うのではなく、「二人でどうすれば楽しく過ごせるか」という視点で考えることが、改善への第一歩になるのではないでしょうか。
仕事のストレスや疲労
仕事のプレッシャーや長時間労働、睡眠不足などが続くと、自律神経のバランスが乱れ、性的興奮が起こりにくくなることがあります。
特に妻は一緒にいて安心できる存在だからこそ、性的なスイッチが入りにくくなり、「休みたい」という気持ちが優先されてしまうケースも珍しくありません。
解決方法
十分な休養とストレスの軽減
慢性的な疲労やストレスはEDの大きな要因です。
- 睡眠時間を確保する
- 適度な運動を行う
- 趣味やリラックスできる時間をつくる
など、心身を休ませることが勃起機能の改善につながります。
性行為のマンネリ化
結婚生活が長くなると、お互いの行動や性行為の流れが毎回同じになり、刺激や新鮮さが薄れてしまうことがあります。
性的興奮は「慣れ」の影響を受けやすいため、マンネリ化が続くことで勃起しづらくなる場合があります。ただし、これは妻への愛情がなくなったという意味ではありません。
解決方法
マンネリを解消する工夫をする
性的刺激の新鮮さを取り戻すことも有効です。例えば、
- デートを楽しむ
- 普段とは違う場所へ出かける
- スキンシップを増やす
- 性行為を義務ではなく自然なコミュニケーションとして考える
など、夫婦の関係性そのものを見直すことが改善につながる場合があります。
妻を家族として見る気持ちが強くなる
結婚生活が長くなるにつれて、妻を恋人というよりも、生活を共にする「家族」として意識するようになる男性は少なくありません。
もちろん夫婦としての愛情は変わらなくても、恋愛初期のようなドキドキや性的興奮が起こりにくくなり、「妻とは勃起しにくいが、それ以外では問題ない」という状況につながることがあります。
解決方法
夫婦として新鮮な時間を意識的につくる
恋人同士だった頃のような気持ちを取り戻すことで、性的な刺激や親密さが回復する場合があります。例えば、
- 記念日や誕生日に夫婦で食事へ出かける
- 旅行や共通の趣味を楽しむ
- 日頃から感謝や愛情を言葉で伝える
- スキンシップを増やし、自然に触れ合う時間をつくる
日常生活の中で夫婦だけの時間を意識的に設けることで、お互いを「家族」だけでなく「異性」として意識しやすくなることがあります。
性行為へのプレッシャー
一度勃起しなかった経験があると、「また失敗したらどうしよう」「妻をがっかりさせたくない」という不安から、性行為のたびに緊張してしまうことがあります。
このような不安は脳が性的興奮よりも緊張を優先してしまうため、勃起しづらくなる悪循環を引き起こします。
解決方法
一人で悩まず、夫婦で話し合う
EDを隠そうとすると、妻は「私に魅力がなくなったのでは」「嫌われたのでは」と誤解してしまうことがあります。
- 仕事や疲れが原因かもしれないことを伝える
- 愛情がなくなったわけではないと伝える
- 性行為を焦らず、お互いのペースを大切にする
- 必要に応じて医療機関へ相談する
夫婦で気持ちを共有することで精神的なプレッシャーが軽減され、改善につながるケースも少なくありません。
生活習慣病や加齢による影響
「妻にだけEDになるから心理的な問題」と思われがちですが、40代以降では高血圧・糖尿病・脂質異常症などの生活習慣病や加齢による血管機能の低下が背景にあることもあります。
勃起力が少し低下した状態にストレスやプレッシャーなどの心理的要因が重なることで、「妻との性行為だけEDになる」というケースも珍しくありません。
解決方法
生活習慣の改善とED治療を検討する
生活習慣病の改善やED治療薬の活用によって、勃起力が改善することがあります。
- バランスの良い食生活を心掛ける
- ウォーキングなどの有酸素運動を続ける
- 禁煙・節酒を心掛ける
- 高血圧や糖尿病などの治療を継続する
- 必要に応じてED治療薬を服用する
ED治療薬で十分な勃起を経験することで、「また失敗するかもしれない」という不安が和らぎ、自信を取り戻せるケースもあります。心因性と器質性の両方が関係している場合もあるため、症状が続く場合は早めに医療機関へ相談することをおすすめします。