プロペシアジェネリックプロペシアのジェネリック医薬品について

浜松町第一クリニック竹越昭彦院長監修

プロペシアのジェネリックとは

プロペシアのジェネリックとは、MSD株式会社が製造販売する男性型脱毛症治療薬プロペシアの有効成分フィナステリドの特許期間満了後に他の製薬会社が厚労省から同じ有効成分、同じ効果効能にて製造販売承認を得て発売されている「フィナステリド」を有効成分とした男性型脱毛症用薬(AGA治療薬)のことをいいます。ジェネリックは「後発医薬品」または「ゾロ※」とも呼ばれますので「プロペシアの後発医薬品」または「プロペシアのゾロ」ともいいます。
※特許期間満了後、他社からジェネリックが「ゾロゾロ」と登場することから、一昔前の医療関係者の間ではジェネリックのことを「ゾロ」と呼ばれていたことから今でもそのように呼ぶ人はたくさんいるのです。

国内では、初となるプロペシアのジェネリック医薬品の製造販売承認を取得したのがファイザー株式会社です。2015年2月19日に男性型脱毛症(AGA)治療薬として『フィナステリド錠0.2mg「ファイザー」』と『フィナステリド錠1mg「ファイザー」』の製造販売承認を取得。2015年4月6日より発売開始しました。その後、2016年に入り沢井製薬、クラシエ、東和薬品、あすか製薬、武田テバ、富士化学工業と続きます。詳しくは以下の「国内でのプロペシアジェネリック一覧表」をご覧ください。

国内正規プロペシアジェネリックの種類

国内正規プロペシアジェネリック一覧比較表
剤形製造・販売・提携特徴処方価格(税込)
販売承認日 2005年10月11日、発売開始日 2005年12月14日
0.2mgMSD株式会社水で服用0.2mgは
取り扱い
無し
1mg28錠:6,500円
140錠:30,000円
フィナステリド錠 0.2mg「ファイザー」
販売承認日 2015年2月19日、発売開始日 2015年4月6日
0.2mg製造販売:ファイザー株式会社
提携:マイラン製薬
水で服用0.2mgは
取り扱い
無し
1mg[PHPシート]
28錠:4,300円
140錠:20,000円
[ボトル]
90錠:13,000円
180錠:24,000円
フィナステリド錠 0.2mg「サワイ」
販売承認日 2016年2月18日、発売開始日 2016年3月17日
0.2mg沢井製薬株式会社水で服用取り扱い
無し
1mg28錠:4,300円
140錠:20,000円
フィナステリド錠 0.2mg「トーワ」
販売承認日 2016年9月01日、発売開始日 2016年9月20日
0.2mg東和薬品株式会社水で服用取り扱い
無し
1mg30錠:4,300円
150錠:20,000円
フィナステリド錠 0.2mg「クラシエ」
フィナステリド錠 1mg「クラシエ」
販売承認日 2016年2月18日、発売開始日 2016年4月21日
0.2mg発売:クラシエ製薬株式会社
製造販売:大興製薬株式会社
水で服用取り扱い
無し
1mg取り扱い
無し
フィナステリド錠 0.2mg「SN」
フィナステリド錠 1mg「SN」
販売承認日 2016年2月18日、発売開始日 2016年12月14日
0.2mg製造販売元:シオノケミカル株式会社
発売元:あすか製薬株式会社
販売:武田薬品工業株式会社
水で服用取り扱い
無し
1mg取り扱い
無し
フィナステリド錠 0.2mg「武田テバ」
フィナステリド錠 1mg「武田テバ」
販売承認日 2017年2月17日、発売開始日 2017年4月20日
0.2mg製造販売元:武田テバファーマ株式会社
販売:武田薬品工業株式会社
水で服用取り扱い
無し
1mg取り扱い
無し
フィナステリド錠 0.2mg「FCI」
フィナステリド錠 1mg「FCI」
販売承認日 2018年1月25日、発売開始日 2018年3月6日
0.2mg富士学工業株式会社水で服用取り扱い
無し
1mg取り扱い
無し
フィナステリド錠 1mg「TCK」
製造販売承認日 2016年2月18日、発売開始日 2016年12月14日
1mg製造販売元:辰巳化学株式会社
発売元:本草製薬株式会社
水で服用取り扱い
無し
フィナステリド錠 1mg「TCK」
製造販売承認日 2016年2月18日、発売開始日 2016年12月14日
1mg製造販売元:辰巳化学株式会社
発売元:岩城製薬株式会社
水で服用取り扱い
無し

プロペシアジェネリックの動向

日本国内での市場規模で考えた場合、バイアグラの国内市場規模は特許満了を迎える直前で年間46億円前後あり、特許満了後バイアグラジェネリックの発売に踏み切った製薬会社は合計10社。プロペシアの市場規模は2014年度で170億円前後とバイアグラの市場の3倍もあるのですから、既に当院のようなAGA治療薬としてプロペシア処方も行っているED治療専門クリニックにバイアグラジェネリックを採用されているキッセイ薬品、東和薬品、富士化学工業、陽進堂、武田薬品とテバ製薬の合併会社である武田テバ薬品あたりは、プロペシアジェネリックの発売も視野に入れているか、もしくは既に厚労省に製造販売承認申請を済ませているであろうと予測をしていました。
しかし、プロペシアのジェネリックとして第一弾となったのはファイザー株式会社のフィナステリド錠0.2mg/1mg「ファイザー」。以下の「プロペシアの特許期間について」でもご説明させていただいていますが、何の前情報も無く特許満了前でもあったので業界内では非常にざわついての発売開始でありました。
今後も他メーカーからの参入があるかどうかについてですが2018年5月に富士化学工業からの発売を最後に新規発売は無いと考えています。理由は、既にAGA治療を行っている医療機関では数種類のフィナステリド錠を取り扱っていたため2016年9月に発売開始された東和薬品のフィナステリド錠以降、新規参入した製薬メーカーのフィナステリド錠は医療機関での採用を見送られる傾向にあったからです。要は同じ主成分で同じ効き目のフィナステリド錠を多く取り扱うメリットが医療機関には無いということでしょう。
今後も他社がプロペシアのジェネリックの製造販売承認を取得したり等、新たな情報が入りましたら上記一覧表を更新していきますのでご興味ある方は定期的に確認してみて下さい。

プロペシアの特許期間について

前項でも触れたようにファイザー株式会社がプロペシアジェネリックを発売開始した際、プロペシアのジェネリックは本当に満了を迎えているのかが、業界内でかなり騒がれました。詳細は以下の通りです。

まずジェネリックが発売開始されるにはプロペシアの有効成分であるフィナステリドの【物質特許】と、AGA治療薬(男性における男性型脱毛症の進行遅延)としての【用途特許】、この2つの特許期間が満了する必要があります。よってこの2つの特許の満了日を調べることができればプロペシアジェネリックが発売開始されるおおよその時期は予測がつきます。

特許の権利が有効な期間については、特許庁のホームページより閲覧することが可能ですが、様々な特許が入り組んでおり、また出願人が会社名と異なる場合もあり、専門家が十分に時間をかけて精査する必要があります。

以下はあくまで当院での推測となりますが、プロペシアの主成分となる「フィナステリド」について検索をし、プロペシアジェネリックの発売時期について調べてみました。プロペシアを製造販売しているのは「MSD株式会社」で、アメリカの親会社は、「Merck & Co., Inc.」です。このメルク社が所有している特許のうち、検索では以下のものがありました。

【発明の名称】5α-レダクターゼ阻害剤によるアンドロゲン脱毛症の治療方法
【出願人】 メルク エンド カンパニー インコーポレーテッド

この特許が、プロペシアの主成分「フィナステリド」の用途特許に該当するのではないかと推測されます。

この特許は、日本国内では、平成6年10月11日に出願されており、特許期間が20年であることを考えますと、存続期間満了日は平成26年10月11日となります。しかし、医薬品では、その有効性や安全性を確認するために、治験や厚生労働省の認可が必要で、医薬品の発売までに時間がかかることから、5年間の特許期間延長が認められており、この特許の存続期間満了日は、平成31(2019)年10月11日まで。

そのため、プロペシアのジェネリック医薬品が発売されるのは、この特許権が満了する平成31年10月11日以降となりそうだと予測しておりました。が、前述の通り、ファイザーが平成27年(2015年)2月19日に製造販売承認を取得したと急遽、プレスリリースしたので、当時は業界内では大騒ぎでありました。MSDの特許権を無効にできるような情報をファイザー株式会社がもっているのかもしれないと予想はしてみたものの、その真相は2018年5月現在に至っても定かではありません。

ジェネリックの今後の処方価格について

ジェネリック登場で気になるのはやはり価格かと思います。プロペシアは、中止すればまた抜け毛が増えてしまうため、毎日服用し続けなければならず経済的負担がばかになりません。したがって、どれだけ安くなるかが一番関心のあるところでしょう。

プロペシア発売当時は1錠あたり250円だったのが、ファイザーがジェネリックを発売してから相場が20%強下がり、2016年3月~4月の沢井製薬やクラシエの参入でジェネリックはさらに約20%下落、そして同年9月の東和薬品の参入でさらに10%程度下がり、プロペシアジェネリックの相場が1錠で約134~175円となりました。
その後、同年12年にあすか製薬から、2017年4月に武田テバから、2018年3月には富士化学工業からも発売が開始されますが、それ以降は相場はほとんど変更はありません。
今後、最新情報が入り次第このページでお知らせいたします。

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