4社合同による偽造ED治療薬調査2009年

浜松町第一クリニック 竹越昭彦院長 監修

現在までに、日本を含む世界約60ヵ国で偽造バイアグラが発見されており、レビトラ、シアリスも同様に偽造医薬品が流通しています。偽造医薬品は、主にインターネット等の非正規ルートを通じ、多く流通していますが、その正確な実態はわかっていません。偽造医薬品は専門家でも判別が難しい精巧なものがあり、製造現場は不衛生でその成分には不純物が含まれている場合があり、死亡例を含む、健康被害を招くケースも発生しています。短期的には問題がなくても、長期服用によりどのような影響があるのかなど、未知の健康被害の可能性もあり、未解決の問題が多く存在します。


2016年の調査結果

ここで紹介しているのは2009年の調査ですが、2016年に4社合同で改めて同調査が行われています。最新の調査は以下を参考にして下さい。


4社合同調査 ~ファイザー・バイエル・日本イーライリリー・日本新薬~

日本で正規ED治療薬を製造・販売する製薬会社4社とタイの調査会社に依頼し、以下の調査が実施されました。各社が各ブランドの真偽を鑑定し、含有成分について化学分析を行いました。(2008年8月~2009年4月調査)

※タイの調査会社選定理由:タイで日本人が偽造ED薬の販売に関与している事案が数件存在したため

調査方法

バイアグラ、レビトラ、シアリスを販売しているインターネットサイトから、1サイトから各ブランド1サンプル(合計3サンプル)ずつ、合計各ブランド60サンプルを目標に購入。

  • 日本の調査会社:
    2008年12月~2009年4月にかけて、個人輸入を装い、各ブランド30サンプルずつ購入。
  • タイの調査会社:
    2008年8月~12月にかけて、タイ在住の日本人ビジネスマンによる個人輸入を装い、タイへ発送可能な各ブランド30サンプルずつ購入。

背景

これまで各社が偽造医薬品の輸入差し止めや警察からの偽造医薬品販売業者摘発に協力してきましたが、 国内に持ち込まれる偽造医薬品実態は不明であり、インターネットなどでの購入者が偽造品と疑い、真偽を確かめるため、医療機関に持ち込むケースも散見されてきました。

医薬品適正使用と患者の健康被害の観点から、インターネットによりどのくらいの割合で、偽造品が国内に持ち込まれているのかを把握する為に、4社による合同調査が行われました。


インターネット流通の55.4%(日本:43.6%、タイ:67.8%)が偽造品という結果になりました。偽造品の品質にはばらつきがみられ、成分の含有量が承認用量より多い・少ないだけではなく全く含有していないもの、他の成分、複数の不純物が含まれるものが確認されました。今回の調査により、偽造品の流通実態が改めて明らかになり、こうした背景により患者が被害を被っている現状を踏まえると違法な製造・輸入業者などの取り締まりの強化や偽造品撲滅活動等を通じた早急な対策が必要であることが示唆されました。


本調査から、国内のインターネットで流通しているPDE5阻害薬の55.4%が偽造医薬品であることが判明しました。調査国別では日本では43.6%、タイでは67.8%が偽造医薬品でした。薬剤別にみると、シルデナフィル(バイアグラの成分)の57%、バルデナフィル(レビトラの成分)の49%、タダラフィル(シアリスの成分)の60%が偽造医薬品でした。偽造医薬品の中には、有効成分の含有量が表示と異なるもの、有効成分を含まないものもみられ、健康被害の実態は明らかではないものの、品質の保証はできませんでした。さらに、偽造医薬品は真正品に極めて類似した 色・形状を有するもの、もあり真正品と直接比較しなければ偽造医薬品と判別するのが困難でした。

インターネット上では「本物である」、または「海外で製造されたジェネリック医薬品である」と欺いて販売されているので インターネットでの入手は特に警戒が必要です。

2016年の調査結果

2016年に4社合同で改めて同調査が行われています。最新の調査は以下を参考にして下さい。


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