不妊治療の医療機関の検索
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浜松町第一クリニック 竹越昭彦院長 監修
日本全国の体外受精や顕微授精を行っている国や地方自治体に指定されている医療機関の情報を厚生労働省が発表しており、地域別に検索することができます。
また日本の少子化は深刻な状況にあり、1人でも多くの子供が産まれるよう、不妊で悩んでいる夫婦のサポートを国と県や市などの地方自治体が連携して行っています。指定医療機関で要件を満たせば、体外受精や顕微授精を受けた際の費用の一部が助成されます。(2021年8月現在)
国の助成の他、県や市の助成が別にある場合もありますので、医療機関を受診される際には受診時に確認してみましょう。
2021年1月より、国の助成が拡充しており、当初予算の151億円の約2.5倍の約370億円に「特定不妊治療費助成予算」が拡充されました。大きな変更点としては、以下となります。
2020年12月まで | 2021年1月分から | |
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所得制限 | 730万円未満 (夫婦合算の所得) | 撤廃 |
助成額 | 1回15万円 (初回のみ30万円) | 1回30万円 |
助成回数 | 生涯で通算6回まで (40歳以上43歳未満は3回) | 1子ごと 6回まで (40歳以上43歳未満は3回) |
対象年齢 | 妻の年齢が43歳未満 | 変更せず |
菅内閣の基本方針(令和2年9月16日閣議決定)においては、「不妊治療への保険適用を実現」することとされており、 2022年4月から、特定の不妊治療も健康保険制度の対象となっています。 公的医療保険の対象となれば、治療費が3割負担となりますので、大きな負担となっていた不妊治療費が軽減され、日本の少子化対策の一助となることが期待されます。 保険適用開始までには、以下のスケジュールが厚生労働省より発表されています。
不妊治療の保険適用について(厚生労働省)より
下の表は、令和4年3月現在、厚生労働省が公開している不妊治療の流れと保険適用の範囲になります。保険適用となる不妊治療は、基本的に「一般不妊治療全般」と「生殖補助医療」にて日本生殖医学会の推奨レベル*¹で、「推奨度A」と「推奨度B」に分類されている治療及び投薬に対してです。
日本生殖医学会はバイアグラやシアリス等の「ED治療薬(PDE5阻害薬)を使用した勃起障害を伴う男性不妊症に対して有効である」とし推奨度Aに分類しているので、不妊治療の目的に限り保険適用となりました。しかし、保険適用でED治療薬を処方を受けるには処方する医療機関側と患者側に様々な条件がありますので病院に行って「不妊目的で使用するのでバイアグラの処方をお願いします」と伝えるだけでは処方は受けられませんのでご注意下さい。
これについてはバイアグラとシアリスが保険適用に!?で詳しく説明していますのでご参照下さい。
推奨レベル*¹について
日本生殖医学会が作成した生殖医療ガイドライン(購入しないと内容は閲覧できません)にて記載されている不妊治療には、それぞれ「A:強く勧める」「B:勧められる」「C:考慮される」の3段階で推奨レベルを示しています。以下の表で「推奨度C」は保険適用からは除外されます。
不妊治療に関する支援について(厚生労働省)より画像をクリックで拡大
以下は厚生労働省が公開している「不妊治療の全体像」になります。
不妊治療に関する支援について(厚生労働省)より画像をクリックで拡大
不妊治療を実施しているクリニックは多くありますが、不妊治療で有名なクリニックを以下にご紹介させていただきます。皆様のご参考となれば幸いです。
矢内原ウィメンズクリニック
神奈川県鎌倉市にあり大船駅が最寄りのクリニックです。先端生殖医療センターを併設し、不妊検査から体外受精・顕微授精までトータルで妊活をサポートしています。できるだけ自然妊娠するよう様々な観点からアドバイスをしてくれ、また院長の黄木先生は女性のドクターのため、相談しやすく丁寧に問診してもらえると評判です。
また矢内原ウィメンズクリニックの大きな特徴は、「レスキューICSI」を実施していることです。
体外受精で自然に受精する卵は自然に受精させますが、もし受精しなかった場合は、採卵し育てた卵子を無駄にしないために、その未受精卵をレスキューし、顕微授精によって受精させるという方法です。
これまで開院以来のべ5000個以上の卵をレスキューの実績があります。
この方法は採卵回数を減らすことができ、女性への負担を軽減することができます。
体への負担も配慮しながら治療を進めていくことで人気の高いクリニックです。(2019年10月現在)
加藤レディースクリニック
東京都新宿区にあり新宿駅が最寄りのクリニックです。体外受精や顕微授精では、海外からも来院者があるほど有名なクリニックです。365日年中無休で診療しています。 可能な限り排卵誘発剤を使用しない自然な周期での妊娠を治療方針として掲げています。
来院者が多く、仕組み化がしっかりされているため、流れ作業のような冷たい印象を受けたという声も多いですが、 体外受精や顕微授精の実績には定評があるようです。(2019年10月現在)
セントマザー産婦人科医院
福岡県北九州市にあり、「折尾駅」が最寄り駅です。子宮内のフローラ(細菌群)に着目し、フローラと着床との関連性について研究しており、着床不全の原因のひとつとして、生殖器のフローラ検査を全国で先駆けて取り入れています。様々な視点から不妊にアプローチし、遠方からの来院もサポートしているようです。
月に1度、東京都の江東病院で院長によるカウンセリングを実施しています。 (2019年10月現在)
IVF大阪クリニック
大阪府東大阪市にあり、「長田駅」が最寄り駅です。妊娠を希望しているが妊娠できない「不妊症」だけでなく、他の医療機関で体外受精がうまくいかない方、妊娠するが流産に終わってしまう「不育症」、自分の身体が妊娠可能かどうかの不妊検査まで行っている医療機関です。 (2019年10月現在)