EDとは?

テーマED とは?〜定義、症状、分類、原因〜

ED をしっかり理解しよう!

最近なんとなく勃ちが悪い、セックス中に中折れしてしまう・・・ などの症状を感じた時は、「ED」を疑ってみて下さい!ED とは、英語の「Erectile Dysfunction」の略であり、「勃起機能の低下」を意味します。日本では「勃起障害」「勃起不全」と訳されますが、まったく勃起が起こらないケースに限らず、硬さや維持が不十分であることも含め、「満足な性交がおこなえない状態」と定義されています。俗に言われる中折れや途中で萎えてしまうというのが ED の一番多い症状です。
たとえば自分の意思に反して勃起するのに時間がかかったり、勃起したとしても射精する前に萎えてしまったりすることも ED に含まれるのです。つまり、自分の意思とは裏腹に機能が追い付かず、満足に性行為を行えないこと。こういえば、自分も ED かも・・・って思う方も増えるのではないでしょうか。

日本では成人男性の4人に1人が、『ときどき性行為が出来ない』中等度以上の ED 症状を抱えているとされています。しかし、日本国内での ED の認知度はまだまだ低く、『性行為は出来るが硬さが十分でない』などのより軽度の ED も含めるとその推定数は1,800万人ともされており、そうなると3人に1人がなんらかの ED 症状を抱えている計算になります。

特に、40歳以上では ED の割合は増え、60歳以上では2人に1人が ED を自覚しているようです。

「中折れ」とは
「中折れ」についての詳細はこちらをご覧ください
年齢別ED率

ED の定義


  • 十分な勃起が得られないか、又は(and / or)維持出来ないため、満足な性行為が出来ない。
  • 上記の状態が、少なくとも3か月以上持続すること。(ただし、外傷や手術などの物理的要因がある場合には、3か月以前にも診断できる)

とされています。


ED の症状

中折れED

「性欲や興奮はあっても、なかなか勃起しない」「最初は勃起するけれど、持続ができない」「挿入できても途中で抜けて【萎えて】しまう」など、ED の症状は人によってさまざまです。これらの結果、性的能力に自信がもてず、性生活に億劫になってしまう人も多く見られます。

通常、性的な刺激を受けると、脳による興奮が神経を通して陰茎に伝わります。すると陰茎海綿体の動脈が拡張し、十分な血液が流れ込むことで大きく膨らむのが、いわゆる勃起という現象です。
しかし、神経や血管に何らかの問題があり、海綿体に十分な血液が送り込まれないと、満足のいく勃起が得られず、ED 症状につながります。


ED の分類と原因

勃起には、≪性的刺激を脳で感じる≫≪性的興奮が神経を通じて陰茎に伝達される≫≪陰茎動脈の拡張によって血液が性器海綿体に流れ込む≫という3つが必要不可欠です。脳が性的刺激を受けると、性的興奮が脳から陰茎に伝わり、陰茎動脈血管の内皮細胞から一酸化窒素(NO)が分泌されます。これが陰茎海綿体の平滑筋の中で、サイクリック GMP という神経伝達に関わる物質を産生し、血管平滑筋を弛緩させます。すると大量の血液が海綿体内に流入して、勃起が起こります。
これらのうち一つでもうまく働かないと、十分な勃起が起こらず、十分な硬さが出ない、中折れなどの ED 症状が起こります。また神経や血管の損傷が大きい場合には、まったく勃起をしないということも起こりえます。

人によって様々な原因が考えられますが、大きく分けると以下の3つに分類されます。


血管や神経の傷害(器質性 ED)

器質性ED機序

中高年からの ED に多いものが、「器質性 ED」です。器質性 ED とは、神経の障害や、血管の動脈硬化の進行などが原因となって起きてしまう ED のこと。病気がなくても、30歳を過ぎると加齢と共に血管は老化してくるため、弾力性が徐々に低下して(動脈硬化)ED の症状を自覚してくる方が出てきます。動脈硬化になると血管が十分に拡がらず、血の巡りが悪くなり、陰茎海綿体にも十分な血液が流れ込まなくなります。

生活習慣病(高血圧・糖尿病・高脂質症など)の方は特に要注意!

生活習慣病も血管に負担をかけますから、それが原因で動脈硬化が進行してしまうことも考えられます。他にも、喫煙や過度の飲酒も同様の危険性が!最近 ED 気味かも・・・と思ったら、まずは見直すことのできる生活習慣から変えていきましょう。

また、正常に勃起をするためには神経が重要です!神経には脳を含む中枢神経と、脳と末梢をつなぐ脊髄神経と、身体全体につながる末梢神経がありますが、性的刺激を受けた時に、これらの神経を通して「今だ!勃起せよ!」と陰茎に命令します。しかし、神経に障害を受けると、その命令を下してもうまく陰茎まで伝わらないため、ED の原因となってしまうのです。

神経系の異常としては、糖尿病性神経症やパーキンソン病などの内的要因と、脳出血や不慮の事故による脊髄の損傷、前立腺肥大や前立腺がんの一部の手術のように外部からの神経を傷つけるような外傷が原因となることもあります。

器質性 ED
器質性 ED について詳しくはこちらをご覧ください。

精神的なストレス(心因性 ED)

心因性ED機序

ED といったら、「中高年に多い症状」というイメージを持っている方も多いのではないでしょうか?

20代、30代でも中折れや勃起障害に悩んでいる方が多く、そんな方に多いのが、「心因性 ED」です。身体には不調がないのにいざという時に勃起しなかったり、頻繁に中折れしたり、というのは、仕事や家庭などの日常生活におけるストレスや、性交がうまくいかなかったことのトラウマなどの精神的ストレスが引き金となってしまっているのです。奥さんから子作り宣言された日だけはなぜかうまくいかない・・・ってことはありませんか?

それは「今日だけはうまくやらなきゃ!」というプレッシャーが大きなストレスとなり、神経に性的興奮がうまく伝わらないことで、自分の意思とは裏腹に、勃起できなくなってしまうんですね。このようなストレスやプレッシャーがあると、性的な興奮が神経を通してスムーズに陰茎に伝わりにくくなり、ED を引き起こします。

性行為自体の経験が浅い10代後半〜20台前半の若い男性が緊張からなる場合や、仕事で忙しくまた子作り世代でもある30代〜40代の男性に多いパターンです。

また、最近増えているうつ病による ED です。「性欲が出ない」、「性行為が面倒」なども、この心因性 ED に分類されます。

「中折れ」とは
「中折れ」についての詳細はこちらをご覧ください
心因性 ED
心因性 ED について詳しくはこちらをご覧ください。
うつ病 と ED
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特定の薬による影響(薬剤性 ED)

ある疾患で内服している治療薬が原因で引き起こされる ED が「薬剤性 ED」です。つまり薬の副作用が原因で起きてしまう ED のこと。当院でも年齢的にまだ若い世代で尚且つ抗うつ薬・向精神薬・睡眠薬を服用している方や、年齢に関わらず高血圧の人に処方される降圧剤を服用している人などでは薬剤性 ED を疑うようにしています。実際に主治医に服用している薬剤を変更してもらっただけで ED が改善に向かう人もいました。

具体的には、どのような薬が薬剤性 ED になりやすいのか?これについては日本性機能学会が監修を務める【ED 診療ガイドライン】に「ED を引き起こす可能性のある薬剤」として掲載されています。

降圧剤
サイアザイド系利尿剤・ループ利尿剤・K 保持性利尿剤・中枢交感神経抑制剤・末梢性交感神経抑制剤・血管拡張剤・α 遮断剤・αβ 遮断剤・β 遮断剤・Ca 拮抗剤・ACE 阻害剤・アンジオテンシンU受容体拮抗剤
抗うつ剤
三環系抗うつ剤・SSRI
抗精神病剤
フェノチアジン系・スルピリドなど
抗てんかん剤
イミノスチルベン系
睡眠剤
パルピツール酸系
抗潰瘍剤
H2 受容体拮抗剤・抗ドパミン剤・スルピリド
抗男性ホルモン剤
抗アンドロゲン剤・LH-RH アナログ
脂質異常症治療剤
スタチン系・フィブラート系

特に抗うつ薬・向精神薬は、添付文書にも副作用として ED があることが明記されていないことが多いです。そのため、精神科又は心療内科にて処方を受ける際に副作用でED があることを主治医から伝えてもらっていないケースが多く見受けられます。またうつ病などの精神疾患の場合では、精神的に弱っているので性行為を試みる人も少ないので、当院に来院されて初めて薬の影響で ED になっている可能性を知る人が多いのが現状です。

心配なのは上記の ED ガイドラインにも書かれているのですが、薬剤性 ED のことを知らずに多くのうつ病患者さんが ED も心の病だと思い込んで更に病状を悪化させる可能性があるという点です。

薬剤性 ED
薬剤性 ED について詳しくはこちらをご覧ください。

複合型 ED

実際には、『ED の原因はこれだ』と特定することは難しく、上記の1〜3が複合して起こることが多くあります。加齢による動脈硬化と降圧剤の副作用、仕事での疲れやストレスなどが複合して絡んでいることが多く見受けられます。いずれの要因の場合でも、バイアグラなどの ED 治療薬は有効ですので、当院にご相談ください。


ED の治療

まず試してみてほしいのは、バイアグラをはじめとする ED 薬の服用です。ED 治療薬を服用し、その効果を判定するのが近年の主流となっています。特定の手術や疾患がない場合には、ほとんどの場合で ED 治療薬の内服で大きな改善が見られます。日本ではバイアグラとレビトラ、シアリスの3種類の治療薬が販売されています。陰茎の血管を拡張し、血液の循環を良くする作用があり、医師の診察のもとで処方を受けることができます。

ED 治療方法
EDの治療方法について詳しくはこちらをご覧ください。

また生活習慣病やうつ病などがある方は、ED をこれ以上進行させないためにも、それぞれの原因に応じた対策をとっていくことが重要です。たとえば糖尿病や高血圧などの生活習慣病による器質性 ED の場合は、生活習慣の見直しや治療薬で、血糖値や血圧を正常に保ち続けることも大切です。

心因性 ED では、カウンセリングのほか、パートナーとの信頼関係の構築も重要です。(当院ではカウンセリングは行っておりません。)

薬剤性 ED の場合は、ED 治療薬の併用で十分な効果が得られない場合には、主治医の先生と相談しながら常用している薬を見直すことを当院よりお勧めする場合もございます。