精力剤の成分
精力剤の成分

テーマ精力剤(医薬品、サプリメント)と ED 【勃起不全】

精力剤の主な成分

最近では、精力剤として様々なものが、販売されています。それぞれの成分の特徴やその効果などを科学的に検証します。またそれぞれの成分の勃起や性欲に対する効果についても、解説していきます。一般的に、精力剤と言われるものには、サプリメント(食品)として流通しているものと、タウリンなどのように医薬品や医薬部外品として流通しているものがあります。

精力剤
精力剤の分類や種類などの特徴はこちらをご覧ください。

メチルテストステロン (医薬品成分)

メチルテストステロンは、医薬品としてのみ使用出来る成分で、サプリメントなどの健康食品には、配合出来ません。テストステロン値が低下している男性更年期障害の諸症状の改善効果が、第1類医薬品として認可されています。

1935 年にテストステロンが睾丸抽出液から発見され、その後、メチルテストステロンが合成されました。メチルテストステロンは肝臓での代謝を受けにくいため、内服摂取においてもテストステロンと同程度の男性ホルモン作用を示すとされています。

あくまで、テストステロンが低下している方が補充するものですので、テストステロンが低下していない方の摂取は必要ありません。テストステロン値の上昇は急激な動脈硬化や前立腺肥大の悪化を引き起こします。摂取方法や摂取量などは、購入時に薬剤師から十分説明を受け、用法・容量は必ず守る必要があります。

メチルテストステロンの勃起不全(ED)改善効果や性欲の増進作用

テストステロンは、性欲、勃起機能に大きく関わっていますので、男性更年期によってテストステロンが低下している方は、ED症状や性欲・精子形成などに改善が見られる可能性があります。独自で判断せず、医療機関で血液中のテストステロン値を検査し、医師の指導のもと、ED症状や性欲の低下を改善していくことをオススメ致します。

当院では、テストステロン値などの検査は行っておりません。


タウリン(医薬品成分)

タウリンは、薬局などで購入出来る医薬品の栄養ドリンクによく含まれています。滋養強壮や肉体疲労に効果があります。成分名は「2-アミノエタンスルホン酸」で、アミノ酸の1つです。医薬品に分類される成分のため、サプリメントなどの食品には配合出来ません。
タウリンは、心臓の左心室の働きを高め、心不全を改善したとする研究があり、うっ血性心不全の治療薬としても、認可されています。また胆汁酸の排泄促進作用があるため、「肝機能を高める」とされています。

タウリンの勃起不全(ED)改善効果と性欲の増進作用

タウリンの摂取そのものが、ED症状を改善したり、性欲を増強したとする研究は見当たりません。


マカ

精力剤として、認知度が高まってきているのが、【マカ】です。マカの植物としての学名は、Lepidium meyeniiでアブラナ科の多年草植物です。

原産は南米ペルーで、4,000〜5,000mのアンデス高地で自生や栽培されており、その根や茎の部分が食用として古くから利用されてきました。
アミノ酸、ミネラルをはじめ、リノレン酸、パルミチン酸、オレイン酸などの脂質が含まれており、栄養価の高い植物ですので、疲れている時に栄養源として摂取するには、よいかもしれません。原料となる植物が、枯れた土壌で栽培されていたり、栽培時に使用された農薬が残留している可能性もあり、サプリメントなどで摂取する場合には、信頼のおける製品を選ぶことが重要となります。

その他、グルコシノレート類が有効成分とされており、俗に、男性では、性欲増加・EDの改善・疲労回復・精子の運動能改善など、女性では、生理不順・不妊症・疲労回復などに効果があると言われています。そのため、様々な研究が行われていますが、優位に効果があったとする研究は少なく、科学的な効果は認められていません。

マカの勃起不全(ED)改善効果と性欲の増進作用

健康な男性56名 (21〜56歳) を対象とした試験において、マカを12週間摂取で、性欲が改善されることを示唆する報告があります。 (PMID:12472620)
ED症状を改善したとする信頼のおける報告はありません。


亜鉛(Zinc)

成人における亜鉛(Zn)の体内含有量は約2gで鉄(Fe)についで体内で2番目に多い微量金属です。体内では亜鉛酵素と呼ばれる200以上の酵素の構成、酵素反応に関与しており、ホルモンの合成や分泌の調節、核酸(DNA、RNA)の合成、タンパク質の合成などに広く関与している重要な成分です。

著しく亜鉛が不足すると、皮膚や粘膜のトラブル、味覚の異常、免疫機能低下、貧血、男性機能不全、精神障害などが起こる可能性があります。

日本人の成人男性では、1日に10mg亜鉛を摂取するよう推奨*²されていますが、男性の摂取平均は8.8mg*³となっており、摂取量が不足していることが分かります。

亜鉛は、肉類に多く含まれており、牛肉や豚肉の赤身や鶏肉を積極的に摂ると、タンパク質と共に亜鉛を摂取できます。
サプリメントを活用する場合には、過剰摂取とならないよう十分注意が必要です。

亜鉛の耐容上限量(日本人の食事摂取基準2015年)
耐容上限量とは、ある性・年齢に属するほとんど全ての人々が、過剰摂取による健康障害を起こすことのない摂取量の最大限量のことです。
つまり、下記の表にある以上の量を継続して摂取し続けると、過剰摂取による健康被害が起こる可能性があります。普段の食生活でこれらの摂取量を超えることはまずありませんが、サプリメントを摂取する場合には十分な注意が必要です。

亜鉛の耐容上限量/男性
18歳〜29歳 40mg/日50歳〜69歳 45mg/日
30歳〜49歳 45mg/日70歳以上  40mg/日

亜鉛の勃起不全(ED)改善効果や性欲の増進作用

亜鉛は、精子形成や性欲に関与しており、亜鉛の不足は精子形成に異常をきたし、性欲減退につながりますので、意識的に摂取した方がよい栄養素です。
加齢による器質性EDや心因性EDに効果があるものではありません。

※2 日本人の食事摂取基準2015年(厚生労働省より)
※3 平成25年国民健康・栄養調査より


シトルリン

L-シトルリンは、1930年に日本でスイカから単離されたアミノ酸の1種です。ヨーロッパでは、抗疲労成分として、シトルリン・リンゴ酸塩が医薬品として販売されており、また日本では、2007年の「食薬区分」の改正によって、「医薬品成分」とされていたものが、「食品」にも使用出来るように変更となった成分です。L-シトルリンは、オルニチン回路でのアルギニン生合成の中間体で、代謝産物としてNO(一酸化窒素)を作りだし、血管拡張作用を有します。いくつかの研究で、「手や足などの末梢での血流の増加」や「疲労回復効果」があると示唆されています。

シトルリンの勃起不全(ED)改善効果や性欲の増進作用

L-シトルリンは、バイアグラなどのED治療薬と同じように、NO(一酸化窒素)を介して血管拡張作用があると考えられますが、その血管拡張作用は、EDを改善するほどはありません。
またL-シトルリンによって、ED症状が改善したとする、人での信頼出来る治験データもこれまでに見当たりません。


トンカット・アリ

トンカット・アリの学名は、Eurycoma longifoliaで、東南アジアに生息する、ニガキ科に属する低木です。精力剤のサプリメントとして、根の部分が使用され、グリコサポニンやユーリコマノンが有効成分とされています。

俗に、男性では「性機能改善」、女性では「不妊への効果」などが謳われていますが、効果があったとするヒトでの有効性データは見当たりません。また安全性についても十分に確立されておらず、摂取には注意が必要です。特に胎児や乳児への影響は分かっておりませんので、妊娠中・授乳中の方は使用を避けてください。

トンカット・アリの勃起不全(ED)改善効果や性欲の増進作用

トンカットアリのED改善や精力増強効果があったとするヒトでの信頼出来るデータはありません。これらの目的で摂取しても、あまり意味がないと考えられます。